6月7日から20日までの期間限定で実施されている、漫画「ドカ食いダイスキ! もちづきさん」と「野郎ラーメン」のコラボメニュー「ドカ食いダイスキ! 野郎ラーメン」。
合計4200キロカロリー、漫画から飛び出したような「ドカ食い盛りラーメン」を大食い記者が体験しました。
本企画では、日々のストレスを衝撃的な量のカロリーで発散し、“至る”と表現される満腹状態の酩酊感に浸ることを生きがいとする女子が主人公の漫画「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」と、山盛りを特徴とするラーメン店「野郎ラーメン」がコラボ。
目玉メニューの「ドカ食いダイスキ! 野郎ラーメン ドカ食い盛り」(税込2480円)は合計1530グラムにのぼる極太麺とチャーシュー、野菜、天かすなどの具材が丼から山のようにそそり立つ、暴力的な見た目となっています。
ちなみに気になるカロリーは、4200kcal。これは農林水産省が提唱する一般成人男性の1日あたり所要カロリー(2000±200kcal)の約2倍に相当します。
これ、全部食べたら“至る”どころではないのでは……と心配になりますが、目の前の欲求には逆らえないのが大食いの性というもの。そこに山があったら登るしかないんじゃ……!
というわけで、いざ実食取材!!体重104キロにして、デブをレンタルするサービス「デブカリ」にも所属する“プロのデブ”の記者が挑みます。
■ 高いか安いか2480円、全国10店舗で提供。ニタァと笑う「もちづきさん」のノボリが目印
「ドカ食いダイスキ! 野郎ラーメン」が提供されているのは、「野郎ラーメン」の店舗のうち、東京の秋葉原店・渋谷センター街店・三軒茶屋店・錦糸町店・浅草橋店・高田馬場店、千葉の海浜幕張店、神奈川の川崎東口店、埼玉の川口店、愛知の名古屋栄店の10店舗です。
今回は錦糸町店にやってきました。玄関先には、どんぶりを抱えてニタァと笑って「たぎる」もちづきさんのノボリがはためいています。完食後、記者もこのような表情になってしまうのでしょうか。
カウンター席が並ぶ店内の壁には、オリジナルに描き下ろされたもちづきさんのイラストがズラリ。鬼気迫るもちづきさんに見守られながら食べるデカ盛りはさぞかし美味しそうです。
自販機で「ドカ食いダイスキ! 野郎ラーメン ドカ食い盛り」を購入します。お値段もデカ盛り、2480円。普段のラーメン店でもなかなか使わない値段ですね。「カロリーを買っている!」という感じ。錦糸町店では販売がありませんでしたが、一部の実施店舗ではオリジナルグッズも購入できます。
■ 分け入っても分け入っても青い山。天かすどっさり「野菜の山」を走り切れ
注文から3分ほどして着丼した「ドカ食いダイスキ! 野郎ラーメン ドカ食い盛り」。特製の「もちづきさん」箸袋に入った割り箸とともに出てきます。丼にうずたかく積み上げられた具材は、おおよそ30cm弱といったところでしょうか。
「ドカ食いダイスキ! 野郎ラーメン」という焼印の押された、特製湯葉プレートが燦然と輝きます。
とにかく印象的なのは、はた目にもわかる野菜の多さ。目に見えているだけの具材ですでにコレなので、麺までたどり着く頃にはどれくらいかかるのか。完食までは相当の時間を見込んでおいたほうが良さそうです。
まずは野菜の山から攻めていきましょう。たっぷりとまぶされたピリ辛風味の天かすに、大量のマヨネーズとモヤシ。この時点ではスープはおろか、麺の姿すら見えません。分け入っても分け入っても青い山。
添えられたとろとろの味付け卵がコク味をプラスしてくれます。甘露甘露。
傍らに目をやると、チャーシューが2〜3枚。脂身たっぷり、ぷりぷりとした食感で気分が上がります。山道からのぞく青空のよう。まさかチャーシューで清涼感を味わうとは思いませんでした。
■ 終わりの見えない麺ロード、小学生時代のアノ記憶が蘇る……
種田山頭火の気分でひたすら薮、もとい野菜の山を突き進むこと10分。見えてきました。大量の麺です。インスパイア系の極太麺はしっかりスープを吸ってブリンブリンに太った状態。ここからが本当の戦いの始まりでした。
食べても食べても、とにかく麺が減りません。丼の底から湧き出てきているんじゃないかと思うほど。華を添える具材もこの時点ですでに食べ尽くしてしまいましたので、あとは目の前の現実とひたすら向き合うしかありません。
食べ始めから20分。まだ食べ終わりません。具材にトッピングされていた天かすがスープに落ちてブヨブヨにふやけ、得体の知れないものに変形しています。
先行きの見えない一本道、ここから先は味変で乗り切ります。卓上にあるタレ、酢、ニンニク……とにかく入れられるものは片っ端から入れることで、己の脳に「新しい道」だと認識させます。
食べ始めから40分。箸を引き上げるとまだまだ出てくる麺の山。なぜだ……。まったく減っている感じがしません。こうしている間にも、カウンターの隣の席には新しいお客さんがやってきます。
小学生時代、給食をどうしても時間内に食べ切れず昼休みに突入してしまった、あのときのよう。
表からはみんなの歓声が聞こえるのに、自分はひとり、中身がたっぷり残った丼を見つめています。なんで…… なんで自分だけ……。
食べ始めから1時間弱。ようやく「終わり」ました。涙の味もまた味変になったようです。その後、最後の力を振り絞って完食しました。インスパイア系においてスープを飲む人は少ないので、スープまではご勘弁を……。
「デカ盛り」というイメージもあって、着丼の瞬間はドキドキとワクワクが同居するのですが、予想以上にドリーミンな時間は早く過ぎ去ります。あとはひたすら終わりのない麺ロードを歩く旅。一服の清涼剤がほしい場合は、最初の具材を残しておくことをオススメします。
その反面、嬉しい予想外もありました。4200kcalも摂取したら動けなくなるかと思いきや、たっぷり盛られた野菜のおかげか、完食後はそこまで胃もたれ感がありません。
ついでに他のメニューも食べてみようかなと思える気分に……あぁ! これこそが戦略なのか。いろんな意味で「もちづきさん」が憑依する一杯でした。チャレンジの際はくれぐれも万全の対策と心持ちを。
(天谷窓大)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025061607.html