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ゲーム「悪魔城ドラキュラ」が宝塚でミュージカル化 原作について解説します


宝塚歌劇団花組が2025年に「『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~」を公演します。アルカード役はトップスターの永久輝せあさん、マリア役は星空美咲さんが演じることが発表されました。この作品は、ゲーム「悪魔城ドラキュラ」を基にしたオリジナルストーリーです。特に、1997年に発売された「月下の夜想曲」が物語のベースとされています。アルカードは、父ドラキュラに立ち向かう半吸血鬼で、マリアは失踪したヴァンパイアハンターを捜す一族の一員。原作の要素がミュージカルにどのように反映されるのかが見どころです。公演は宝塚大劇場と東京宝塚劇場で行われます。

ゲーム「悪魔城ドラキュラ」が宝塚でミュージカル化 原作について解説します

 宝塚歌劇団花組が2025年6月7日から上演する「『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~」。2月28日には、アルカード役を花組トップスターの永久輝せあさん、マリア役をトップ娘役の星空美咲さんが演じることが発表され、そのビジュアルもお披露目となりました。

 「悪魔城ドラキュラ」はゲームを原作とする作品ですが、宝塚ファンにはあまり馴染みがないかもしれません。そこで今回は、観劇前に知っておきたい原作について解説します。

 「悪魔城ドラキュラ」は1986年9月にコナミ(現:株式会社コナミデジタルエンタテインメント)より、ファミリーコンピュータディスクシステム用ソフトとして発売されたのが、シリーズの始まりです。

 「ゴシックホラー・アクションゲーム」として、ヴァンパイアハンターであるベルモンド一族と吸血鬼ドラキュラの戦いを軸に展開。魅力的なキャラクター、美しいグラフィック、荘厳な音楽が高く評価され、海外にも多くのファンを持つ作品として知られています。

 今回花組が公演を行う「『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~」の作品ページでは、物語は「オリジナルストーリー」と紹介されていますが、登場人物やタイトルを見る限り、おそらくシリーズ内屈指の名作として知られる「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」がベースになっているものと思われます。

■ ベースとなるのはシリーズ屈指の名作「月下の夜想曲」?

 「月下の夜想曲」は、1997年3月にプレイステーション用ソフトとして登場しました。

 美麗なイメージイラストやグラフィック、BGMを正統進化させつつ、従来の「ステージクリア型アクション」ではなく、広大な悪魔城内部を自由に探索しながら、キャラクターの強化や謎解きを行い、ストーリーを進めていくという「探索型アクション」に変貌を遂げた意欲作。以降も多くの機種に移植されるなど、今もなお多くのファンから支持を集めています。

 そんな本作の主人公を務めるのが、ドラキュラ伯爵と人間の女性の間に生まれた半吸血鬼であり、永久輝せあさんが演じる「アルカード」。そう、主人公は純血のヴァンパイアハンター「ベルモンド家」の一族ではなく、その宿敵ともいえるドラキュラの息子なのです。

 しかし、アルカードは残虐な行いを繰り返す父ドラキュラに反発。処刑された母リサが最期に遺した願いを受け継ぐとともに、自身の呪われた血を絶つために、ドラキュラへの反逆を決意しますが、一人の力では太刀打ちできません。そこで同じ志を持つ仲間として、ベルモンド家の一族である「ラルフ・C・ベルモンド」と共に、討伐に成功します。これが前日譚となる「悪魔城伝説」の物語。

 その後、アルカードは自らに流れる呪われた血を封じるため、覚める事の無い永い眠りについていましたが、それから約300年の時を経て再び悪魔城が復活。これに応じるようにアルカードも目覚め、その原因解明のために単身悪魔城に潜入する……というストーリーが「月下の夜想曲」で展開します。

 時を同じくして、悪魔城に潜入を試みていたのが、星空美咲さん演じる「マリア」です。彼女はかつてドラキュラを打ち負かすも、その後謎の失踪を遂げたヴァンパイアハンター「リヒター・ベルモンド」を追って、悪魔城でアルカードと出会い、協力をすることとなります。

 「月下の夜想曲」の他機種への移植版では、条件を満たすことで彼女をプレイアブルキャラクターとして操作できますが、実は彼女もヴァンパイアハンターとしての力を有しており、その能力はアルカードやリヒターをしのぐほど。この辺りの設定がミュージカル版に反映されているかも、見どころのひとつかも知れません。

 なお、本作はシリーズ内でも比較的難度が低く、アクションゲーム初心者やシリーズを初めてプレイする方でも、おそらく取っ付きやすいと言える作品です。PS4やAndroid、iOS向けにも移植されているので、興味のある方は観劇の前にゲームをプレイしてみるのも良いかもしれません。

■ 公演は6月から開始 他の配役も気になる

 今回の解説はあくまでゲーム版に則ったものであり、これらの設定がそのまま落とし込まれているとは限りませんが、作品の背景として知っておいて損はないかと思います。

 公開された「アルカード」「マリア」のビジュアルは、それぞれの顔立ちや衣装等、原作の姿が忠実に再現されており、まるでゲームの世界からそのまま飛び出してきたかのよう。早くも期待が高まります。

 また、ゲームの主要キャラクターである「リヒター・ベルモンド」や闇の神官「シャフト」、そして「ドラキュラ伯爵」も登場するならば、その配役が気になるところ。今後の追加情報にも注目しましょう。

 宝塚歌劇団花組によるミュージカル・ロマン「『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~」は、6月7日から7月20日の間、宝塚大劇場(兵庫県)にて、8月16日から9月28日の間、東京宝塚劇場(東京都)にて公演予定です。

<参考・引用>
KONAMI コナミ公式(@KONAMI573ch
悪魔城ドラキュラポータルサイト
宝塚歌劇団公式HP「『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~

(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025030507.html
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