主に自衛官募集活動の広報活動を行いつつ、時折災害時などいざという時に役立つ生活のテクニックを伝授する動画を公開している自衛隊東京地方協力本部の公式SNSアカウント。思わずクスッとしてしまうようなコメディ仕立てになっている点も見どころのひとつです。
そんな東京地本が先日紹介していたのは、大量のペットボトルを一度で運搬する方法。知っていれば間違いなく有用であろうライフハックを、実際に試してみることにしました。
■ 自衛隊東京地方協力本部の「ペットボトル運搬術」やってみた
用意したのはペットボトルと荷造り用の玉巻PPテープ。細長い紐状のものであれば、なんでも対応可能です。動画によると、災害時に給水所等に水を取りに行ったけど、両手いっぱいに抱えると落としてしまいがち、という状況を想定しているようです。
ペットボトルに紐を踏ませた状態で、上部で結び目を作ります。次に、結び目をひらいて、そこへペットボトルを通し、ペットボトルの中腹あたりで固定します。
これを繰り返し、今度はペットボトルの口あたりで縛るとあら不思議。あっという間にペットボトルが固定され、手提げバッグのように吊して持ち運ぶことが出来るようになりました。
ちなみに小さいペットボトルや水筒であっても同じ方法で結ぶことが可能。確かにこれなら、持ち運び用のバッグ等がなくても多くのペットボトルが持ち運び出来そう。キャンプ等屋外のアクティビティでも役立ちそうですね。
■ 自衛隊東京地方協力本部の池田竜也さんに話を聞いてみた
今回紹介したペットボトル運搬術が、さまざまなシーンで役立つことはもちろんなのですが、それにしてもいったいなぜ、自衛隊アカウントがコメディ仕立ての動画を投稿するようになったのでしょうか。自衛隊東京地方協力本部、広報の池田竜也さんに話をうかがいました。
-- この度はインタビューに応じていただきありがとうございます。まずは、今回、大量のペットボトルを楽に運搬する方法を紹介した経緯について教えてください。
普段自衛隊のことを知られていない方へ、自衛隊の任務の1つである「災害派遣」に関連するライフハックを一例としてコミカルに表現することで、自衛隊を少しでも身近に感じていただき興味を持っていただければと思い、投稿しました。
-- たしかに、2名の男性隊員の演技もあってすごく興味を惹かれます。いつも動画に出演している隊員はどなたでしょうか?差し支えのない範囲で構いませんので、お名前や階級など教えてください。出演に至ったきっかけなどもありましたらぜひ……。
広報係の2等陸曹 根本悟(ねもとさとる)、同役職同階級池田竜也(いけだたつや)です。出演のきっかけはとくにありませんが……広報係のためです……笑
-- なんと池田さんご本人!普段から自衛隊の活動内容はもちろん、今回のような生活に役立つ、自衛隊ならではのライフハックを投稿されていますが、いつごろから始められ、また、そのきっかけは何だったのでしょうか?
投稿自体は今年の2月からシリーズ配信しております。背景としましては出演している池田が新たにSNSのチームへ加わり、ニーズのリサーチをしたところ、1月の能登の地震に多くの自衛官が駆け付けましたが、それ以外にも貢献できることはないかと防災関連の配信を考えたのがきっかけです。
-- 今回の動画もInstagramでは360万回以上再生(掲載時点)されるなど、大バズりしていますがライフハックの動画を投稿する際のネタだしや撮影はどのように行われるのでしょうか?簡単にでも構いませんのでお聞かせください。
自衛隊の任務には100程度の職域があるので、私自身も役に立つ知識や技を学んで、それらをブラッシュアップしています。
-- まさしく池田さんの努力の賜物ですね。撮影の時に工夫していることや、気を付けていることなどはありますか?
自衛隊=お堅いイメージがあると思いますので、そうならないように留意しています。また、見られないと意味がないので、作り方や編集の仕方など、トレンドもリサーチしつつ飽きられないような映像つくりを心がけています。
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池田さんが発信するライフハック動画の甲斐もあり、東京地本のXアカウントのフォロワー数は4万人、Instagramアカウントのフォロワー数は6万人にものぼっています。自衛隊の活動をコミカルに表現し、少しでも身近に感じてほしい、という思いはきっと多くの人に届いていることでしょう。
動画の配信自体は意外にもまだ一年足らずということなので、今後発信されるライフハックにもぜひ注目したいところです。
<記事化協力>
【公式】自衛隊東京地方協力本部(@tokyo_pco)
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024122006.html