毎年お盆の時期になると、SNSを賑わせるのはユニークな精霊馬(しょうりょううま)の数々。中には「これをきゅうり(またはなす)で!?」とびっくりするようなクオリティの作品も見られますが、Xユーザー「(笑)い男」さんが投稿したのはなんとミニ四駆「ビクトリーマグナム」を模した精霊馬。
印象的なウイングを持つボディはもちろんのこと、フロントバンパーやローラー、タイヤまでもしっかり再現されています。これはご先祖さまもかっ飛びで帰ってこれそう!
「(笑)い男」さんがユニークな精霊馬を作るのは、実は今回が初めてではありません。
昨年は「最速で先祖の霊が帰ってこれるように」という思いを込めて、「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」の主役機「アスラーダ」をモチーフとしましたが、「今年も同じモチーフではつまらないなぁ」と考えた結果、「ミニ四駆」をテーマにすることを閃いたのだそう。
そのうえで、「数あるマシンの中でも知名度があり、かつきゅうりで作りやすいのは」と思案した結果、自身も思い入れが深いという「ビクトリーマグナム」にすることに決定。「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の主人公「星馬豪」の2代目マシンとして、高い人気を誇る一台です。
作るために使用したきゅうりは全部で3本。シャーシに1本、ボディに1本、タイヤに1本ずつ使用しており、マシンの各パーツに合わせて、ちょうど良いサイズのきゅうりが選び抜かれました。ローラーやウイングの固定には爪楊枝と竹串を用いています。
精霊馬に使わない部分のきゅうりは浅漬けなどにして食べる為、カットに使用した道具は果物用の小さめの包丁のみ。日ごろ行っているプラモデル等の製作で磨いた技術の精密さが光ります。
制作時に特にこだわったのは「いかにきゅうりの元の形状を活かしたまま、作りたいものを再現できるか」という点。
ビクトリーマグナムは鋭角なパーツが多いですが、可能な限りきゅうりの曲線や円形の部分を活かして再現できるように工夫したとのこと。キャノピーやローラー部分が、まさにこれ。
こうして完成したきゅうりのビクトリーマグナムは、実物とスケール感もピッタリで、今にも走り出しそうなほど。「自分が迎えに来て貰う立場になったら、ミニ四駆の精霊馬で来てもらえるとめちゃくちゃうれしいですね」と、納得の出来栄えとなったようです。
インタビューの最後に、精霊馬を作り続ける理由の一つとして「昔ながらの風習を後世に伝えていくこと」をあげた「(笑)い男」さん。
語り継ぐ人がいなくなることで精霊馬の文化自体がだんだんと薄れ、無くなってしまうことを危惧しており、少し遊び心を加えることで多くの人が気に留めて、楽しむ形で風習自体が忘れられず続いてくれるなら、という願いを持っているのだそうです。
来年以降も必ず作るとは断言できないものの、「また見てくれる人が笑ってくれるようなネタが思い付いたら、作ってみようかと思います」とのこと。今後もぜひ作り続けて欲しいですね。
<記事化協力>
(笑)い男さん(@ultramagnus_no2)
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024081304.html