年々厳しくなっていく夏の暑さ。特に7月から8月にかけては夏本番となるため、これから着る洋服の購入を検討している方もきっといることでしょう。
しかし、洋服屋さんの7月といえば、すでに夏物セールの真っ最中であることをご存じでしょうか。「8月に入ってからでいいか~」と悠長に構えていたら、希望の品物が購入できない可能性大なのです。
■ 夏物買うなら7月下旬はラストチャンス 8月は秋物が立ち上がる
基本的に洋服屋の品揃えはシーズン前倒しとしている場合がほとんど。夏物は5~6月ごろが在庫のピークとなり、これを知っている方や、洋服好きの方たちが先行して購入していきます。
ここで残った商品がセール対象となり、売り切りのために価格が下がっていくのが7月ごろ。8月に入ると店頭には徐々に秋物が立ち上がるため、夏物の在庫はどんどん少なくなっていきます。
これが、最も夏物が必要であるはずの8月に店頭には夏物がほとんど残っていない理由です。アパレルにとって値下げは大きく利益を損なう行為であるため、可能な限り定価、または定価に近い価格で販売したいのが本音。在庫のコントロールは超シビアに行う必要があり、1点たりとも過剰な仕入れを行わないように注意しているのです。
つまり、もしも夏物が欲しい、と考えているならば、7月下旬はもうラストチャンス。人気アイテムはすでに在庫切れを起こしている可能性大ですが、思わぬ掘り出し物も見つかるかもしれません。
■ 近年は夏物取り扱いの延長も?気温変動に合わせる品揃えが求められそう
とはいえ、これはあくまでアパレル企業側の都合のハナシ。年々夏の最高気温は上昇の一途をたどっており、その分暑さを感じる期間も伸びているため、品揃えや夏物の取扱期間は見直されるべき時に来ているのではないかと感じます。
筆者の住む鹿児島では、なんなら10月くらいまで暑さを感じますし、外出は半袖でもOK。2023年11月初旬は最高気温28度を記録した日もありました。しかし、洋服屋さんには厚手のコートやダウンがズラリと並んでいる……という矛盾が、この数年特に顕著になっている気がします。
こうした気温の変化に合わせて、8月から9月にはいわゆる”秋カラーの夏商品”を用意する企業も増えましたが、今後はこういった流れがさらに加速し、実勢に合わせた商品開発や品揃えにシフトしていくかもしれませんね。
いずれにせよ、企業が夏物の在庫、そしてセール時期に頭を抱えていることは事実。元アパレル経験者として業界の動向を見守りたいと思いますが、必要と感じた時は出来る限り早いタイミングで購入しておくことをおすすめします。
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024072504.html