オス鳥がいない世界でメス鳥から雛鳥が誕生する……そんなことが本当にあるのでしょうか?
SNSに投稿された雛鳥の動画が話題を呼んでいます。1羽飼いで室内飼育をしているメス鳩から雛が誕生したというのです。
話題の母鳩は、ジュズカケバトのちゃるちゃん。よく手品に登場する「ギンバト」は、このジュズカケバトの白化種だそうです。
ちゃるちゃんは4歳程度でこれまでずっと室内飼育で飼われており、卵を産むのは今回が3度目。動画には、孵ったばかりの雛鳥とちゃるちゃんの様子がおさめられています。
投稿者で飼い主の沙弥行徳さん(以下、行徳さん)に話をうかがいました。
―― 母鳩であるちゃるちゃんを迎えるまでの経緯を教えてください
4羽ほどの親鳥グループの間にうまれ、その時に孵化したのはこの母鳩のみだったようです。
―― 今回雛を発見したとき、どんな心境でしたか?
当然無精卵だと思っていたため、産卵から20日程経ち、そろそろ片付けようかと思ってケージを覗いたところ、動くものがあったので慌てて動画を撮りました。物凄く驚いて、夢の中にいるのではないかと自分を疑いました。しばらく「嘘だろう」と思いながら朝ご飯を食べて、少し経ってから喜びが湧いてきました。
―― 雛が孵る前兆はありましたか?
前兆は全く感じませんでした。今までも産卵して同じように抱卵していたので、それと変わったところはありませんでした。
―― コメント欄にもあるように単為生殖で産まれてきたと思いますか?
日光浴等で一時的にベランダにケージごと出すことすら無く、窓も締め切って外界との接触は全く無かったので間違いなく単為生殖だと思っています。
■ 雛鳩の誕生に心底驚く行徳さん
雛が産まれたことを我が子のように喜ぶ行徳さん。実は以前から、孵るはずのない卵をちゃるちゃんが真剣に抱卵している様子をみながら、可哀そうに感じていたといいます。そんな経緯もあり、今回はうずらの卵をケージの中に入れてみたのだとか。
「最初はそのうずらが孵化したのかと思ったのですが、違っていて心底驚きました。最初の動画の後ろの方にこっそりうずらの卵が映っているのはそういう事情です」と教えてくれました。
■ 「奇跡の鳩」「ハト界のマリア様」などの声
この投稿には「奇跡の鳩」、「ハト界のマリア様」、「世界が驚嘆」といった驚きの声とともに「鳥類で稀にある単為生殖」といった意見も。
愛鳥家からは、「雛が孵った直後なのに体に触れるし、雛に手を出しても怒られない飼い主がすごい」、「ベタ慣れのママ鳩ちゃんがどんなに可愛がられてるか」など、抱卵中にも関わらず触られることを全く嫌がらないちゃるちゃんと飼い主との信頼関係を称える声も寄せられています。
無事に成長してくれるかどうか、毎日ちゃるちゃんと雛鳥のことが心配でたまらないという行徳さん。しばらくして落ち着いたら、雛鳥の名前を公募しようと考えているそうです。
<記事化協力>
沙弥行徳さん(@yukiho112)
(一柳ひとみ)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 一柳ひとみ | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024041503.html