株式会社ツムラが全国の20代から60代の男女を対象に「男女の更年期に関する実態調査」を実施。
更年期症状を自覚する男女の約8割が、その辛さを我慢して日常を過ごす「隠れ我慢」を経験していることがわかりました。
今回の調査は、2022年に続き2023年9月にインターネット調査で行われました。対象は、更年期の症状を自覚する40代から60代の男女100人を含む20代~60代の男女各600人と、過去に更年期症状を経験した男女各100人。
調査結果によると、「隠れ我慢」を経験している人のうち、約3割が「我慢できると思っている」ことや、更年期症状に対する男女の意識に違いがあることも明らかになっています。
■ 男性は集中力の低下やイライラ 女性は肩こりや落ち込みを我慢
更年期症状を自覚する男女各100人に、「更年期症状で辛いことを我慢して、いつも通り仕事や家事などを行うことがありますか?」と聞いたところ「頻繁にある」と答えた人は36%、「時々ある」と答えた人は49%で、男女ともに85%の人が「隠れ我慢」を経験していました。
「隠れ我慢」をしてしまう症状については、男性は「疲れやすい」に次いで「集中力・記憶力の低下」、「イライラ」が挙げられ、女性は「疲れやすい」、「肩こり」、「気分の落ち込み」が上位にランクインしています。
我慢する理由は、「休むと仕事・家事に支障が出る」、「仕事や家事など周りに負担をかけたくない」、「我慢できると思っている」などが挙げられています。このことから、男性は集中力の低下やイライラ、女性は肩こりや落ち込みを我慢しながら、日常生活や社会生活を過ごしていることがわかります。
■ サポートとして望むのは男性は「対処法」で女性は「休息」
また、更年期症状が生活に影響を及ぼしているかを問う質問では、男性の66%、女性の63%が日常生活、社会生活に支障を感じていると回答。
有職男女に限定すると、「家事」に支障を感じる有職男性が27.9%に対し、有職女性は60.3%と更年期症状による家事の負担が働く女性に大きくのしかかっているようすがうかがえます。
「更年期症状のサポートとして望むこと」の質問に対し、男性で一番多かった回答は「具体的な対処法を知りたい」の46%、女性は「体調が悪い時は休む時間・日が欲しい」が64%と最も多く、男性は「対処法」を求め、女性は「休息」を求めていることがわかります。
■ 実践した対処方法も男女で差がでる結果に
現在または過去に更年期症状を自覚する男女各400人を対象にした調査を見てみると、更年期症状について「対処した」と答えた人は男性が33.5%、女性が41%という結果に。
実践した対処方法については、男性の約半数が「休息・睡眠時間を増やす」など消極的な回答をする一方で、女性は58.5%が「病院を受診」。次いで37.8%が「サプリメントを増やす」など積極的な意見が多く、対処の方法にも男女で違いがあることがわかります。
更年期症状を自覚しながらも「対処していない」と答えた133人にその理由を聞いたところ、男女ともに「この程度であれば我慢できると思った」が最も多い回答でした。
また、男女で比較すると、男性のほうが「調べたことがない」、「どのように調べればいいかわからない」といった人が多い傾向にあることがわかります。
他に、更年期症状を自覚する人、しない人を含んだ男女各600人へのアンケートによると、ほとんどの人が更年期の時期を「ネガティブな時期」と捉えており、2022年の調査時と比べ、「更年期が来てほしくない」と感じる人が増加傾向にあるそうです。
■ 生活に支障をきたすほどの更年期症状は「病気」である
今回の調査結果を受け、日本初の男性外来を開設した順天堂大学医学部教授の堀江重郎先生は、男性は本人が更年期症状に気付けていないことが多いと指摘。「医療機関を受診し、専門医の治療やカウンセリングを受けることで、短期間に改善することもあります」とアドバイスしています。
産婦人科医で漢方診療も行う丸山綾先生は、女性の更年期症状は個人差が大きく様々であるが、「生活に支障をきたすほどの更年期症状」は「病気」であることを正しく認識し、医療機関への早めの受診をすすめています。
また、更年期症状は社会全体の問題であるとして、「産休・育休・介護休暇の流れで『更年期休暇』の導入も検討していただきたいですね」とコメントしています。
【調査情報】
・調査名:男女の更年期に関する実態調査(2023年)
・実施時期:2023年9月12日~9月14日
・調査手法:インターネット調査
・調査対象:全国の20代~60代男女各600人(うち、更年期の症状を自覚する40代~60代男女各100人)、過去に更年期症状を経験した男女各100人ずつ
情報提供:ツムラ