美味しそうなそばの「つり革」をSNSで紹介したのは、岐阜県郡上市にある食品サンプル製造メーカー直営店「サンプルビレッジ・いわさき」。
「なんだ、食品サンプルか……」と思ったあなたは、まだ甘い。なんとこれ、長良川鉄道で8月から実際に走っている列車のつり革なんです!
この列車の名前は「食品サンプル列車」。外装には美味しそうな料理の絵が描かれたラッピングもされており、車内にはあちこちに「サンプルビレッジ・いわさき」で作った食品サンプルが展示されています。
「食品サンプル列車」誕生のきっかけは、「サンプルビレッジ・いわさき」が手掛ける食品サンプルとAIを組み合わせた新サービス「GOTCH SHOT」(ゴッチショット)。
これはスマホで訪れた飲食店のQRコードからアプリを起動し、その店の食品サンプルをカメラで写すと、メニューの値段やカロリー、栄養成分やアレルギー成分などが表示されるサービスです。
元々は、この新サービスを長良川鉄道郡上八幡駅の構内でPRする予定だったそうです。そこに企画会社から「長良川鉄道さんを巻き込んで列車を走らせましょう!」と提案され、今回の「食品サンプル列車」が誕生。
長良川鉄道で「食品サンプル列車」を走らせるのは、もちろん初の試みです。運行期間は1年を予定。運行状況については長良川鉄道のX(旧Twitter:@NAGARA_RAILWAY)で確認してください。
■ 食品サンプルの技術を見てほしい!
「サンプルビレッジ・いわさき」の担当者に話をうかがうと、「食品サンプル列車」は1車両のみ。準備期間はわずか1か月しか無かったため、急ピッチで作業がすすめられました。
「リアルさの追求と同時に、皆様を笑顔にするような驚きと感動あふれる空間にしたかった」と担当者。地場産業である食品サンプルの技術を見てほしい、という思いも込めて作られたそうです。
さらに完成した「食品サンプル列車」は準備期間が短かったにもかかわらず、車窓からの景色も考え食品サンプルの置き位置を工夫したり、乗客の安全を考慮した配置にしたりと、さまざまな工夫が施されています。
■ お茶がこぼれたビックリする食品サンプルも!
SNSの投稿では「そばのつり革」を紹介していましたが、他にも窓のところにお茶や味噌汁がこぼれていたり、「なぜ、こんなところにバナナやミカンが?」と思わせたりする、遊び心満載の食品サンプルがたくさん。
中には、つり革が納豆やオクラになっている、少し握るのをためらってしまうような作品も……。
「サンプルビレッジ・いわさき」の担当者も、「是非、ご乗車の思い出に写真を撮っていただきたい」と語っています。
<記事化協力>
サンプルビレッジいわさきさん(@iwasaki_mokei)
(佐藤圭亮)