小さい頃からの「好き」を持ち続け、創作をしている人は少なくありません。成長とともに技術や表現手法は進化していきますが、その歴史を第三者が見る機会はなかなかレアなことです。
Twitterに、小学3年生時に作った作品と、美大に進学して制作した立体作品を比較する画像が投稿されました。どちらも「手」をモチーフにした作品ですが、完成度や表現手法の目覚ましい進化に目を奪われます。
この画像を投稿したのは、現在東京造形大学で彫刻を学んでいる「ピエロ大好き人間」さん。小学3年生時に作った「握り拳」の作品は「たしか姉の工作で残った粘土でお遊び感覚で作った」ものだといいます。
お遊び感覚とはいえ、この頃から人体のパーツにハマっていたのだとか。小さい頃から一貫して、人体をモチーフにした作品作りを続けてきました。
作品を作っていく上で、よりリアリティを求めていったというピエロ大好き人間さん。その変遷を次のように語ってくれました。
「硬い素材ではなく柔らかい素材を使うことでよりリアリティが増すのでは?と考え始め、素材へのこだわりがより強くなったと思います!」
現在はシリコンを素材にし、型取りして作っているとのこと。調色したシリコンを型に流し込み、抜いた時点でもすでに生々しいのですが、ここからさらに彩色を加えます。
血色や、シワの奥の影などを再現するため、絵の具を置いてスポンジで馴染ませていきます。人間の手は微妙なグラデーションでできているので、ほんのわずかな色の変化がリアリティに影響しそうですね。
完成した手を見ると、まるで生きている手と握手しているかのよう。断面の周囲も細かく彩色され、ついさっき「ちぎれた」ばかりといった雰囲気です。何の説明もなしに見ると驚きますね。
ピエロ大好き人間さんはこのほかにも、指をモチーフにしたキーホルダーや、内臓が飛び出ているように見えるTシャツなどを作り、minneの「HIRASAWAX’S GALLERY」で販売しています。人体のリアル表現にとことんこだわった作品、今後の進化にも期待したいですね。
<記事化協力>
ピエロ大好き人間さん(@I_LOVE_Clown)
(咲村珠樹)