ガンダムコスプレスノーボーダーとして知られる「生ガンダム」さん。モビルスーツやキャラクターのコスプレを行うパフォーマンス集団「GP隊」を結成し、全国各地のゲレンデにて華麗な滑走を披露していますが、19年に及ぶ活動の中で変化したのは、活動内容だけではありません。
生ガンダムさんがツイッターに投稿したのは、活動当初と現在のコスチュームを比較した2枚の写真。最初のコスチュームはTシャツを缶スプレーで塗装したものでしたが、最新版はより立体的に。そのままコスプレイベントに参加しても違和感がないレベルの高いクオリティに仕上がっています。
現在のコスチュームは「Version5」と呼ばれる5代目のコスチューム。はじめはちょっとした「おふざけ」のつもりで活動を始めたため、コスチュームに強いこだわりはなかったそうですが、当時一緒に滑っていた先輩に「そろそろそのチープなガンダム止めろ」と言われたことをきっかけに、コスチュームの改良を決意しました。
その後作られた「Version2」は立体的に、「Version3」では強度の向上、「Version4」では衣装としてのクオリティアップ、と制作の度に問題点の洗い出しと改善を繰り返し、現在の形に。見た目はもちろんのこと、動きやすさや耐久性、防寒性にも優れた、まさに「寒冷地仕様」のガンダムが完成しました。
コスチュームの芯材にはウレタンを使用し、撥水加工生地の布で覆うという工程を各パーツで行って作られています。また、制作の際には対象のガンプラを購入し、自分の身長に合うように対比率を計算して型紙を制作しているとのこと。とはいえ、それを形にできるのは生ガンダムさんの高い制作技術があってこそでしょう。
「安全性」と「普通のウェアでできる事は全てできる」をコンセプトに作られた最新のコスチュームは、まさに大きなガンプラが動いているかのよう。着用時の感想をうかがうと、「(普通のウェアと比べて)重さ以外は全く気になりませんね」と、自身も納得の出来栄えとなった模様です。
「当時も今も『人を笑わせる』のが目的なんですが、コスチュームのクオリティが上がる事により『面白さ』と同時に『カッコ良さ』も求められるようになったと感じます」
19年前と今を比べた2枚のコスチューム写真を見ながら、活動に対する意識の変化を語った生ガンダムさん。
ちょうど「Version4」のコスチュームで活動していた頃、スノーボーダー・谷口尊人氏にガンダムを着て滑ってもらったことがあったそうで、カッコよくターンを決めるその姿に「俺が見たかったガンダムはコレだ!」と、感動を覚えたと言います(撮影・関一也さん)。
ただガンダムで滑って、皆が笑ってくれればそれで満足、という意識からの脱却。「面白い」と「カッコいい」を両立させたいという思いがより一層強くなった生ガンダムさんとGP隊の活動に、今後も注目が集まりそうです。
<記事化協力>
生ガンダムさん(@nama_gundam)
関一也@SEKI KAZUYAさん(@kazuyaseki86)
(山口弘剛)