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【Z世代向け】ウクライナ戦争で懸念を強める台湾について簡単に解説


ロシアのウクライナ侵攻に関するニュースが連日報道されているなか、今台湾が懸念を強めている。地理的には一見関係のなさそうな台湾がなぜ?という人も少なくないだろう。今回は、そんなウクライナ戦争で懸念を強める台湾について、Z世代に向けわかりやすく解説していく。

プーチン大統領「他に選択肢はなかった」

Frederic Legrand - COMEO/Shutterstock.com

ロシアのプーチン大統領は2022年4月12日、東部アムール州でベラルーシのルカシェンコ大統領と会談。「ウクライナとベラルーシとロシアはひとつの民族であり、ウクライナで起きていることは間違いなく悲劇だが他に選択肢はなかった」と侵攻の意義を強調した。プーチン大統領が公にコメントするのは侵攻が始まった2月24日以来だが、ロシアの巡る対立の長期化はもう避けられず、今後も軍事作戦を継続することは間違いないだろう。

米国の対応に不安を募らせる台湾

そんななか、これまでのウクライナ戦争を眺めてきた台湾は懸念を強めているようだ。台湾の民間シンクタンク「台湾民意基金会」が3月に発表した最新の世論調査結果によると、台湾有事に対して「米軍が関与する」と回答した人が34.5%となり、昨年10月の65.0%から30.5%も急落したことが明らかとなった。

また、同様に「日本の自衛隊が参戦する」と回答した人が43.1%と昨年10月に実施された同調査から14.9%減少したが、この統計からは、台湾市民の多くがウクライナ戦争における米国の対応に不安や警戒心を高めていることがうかがえる。

ウクライナはNATOに加盟しておらず、米国の軍事同盟国ではない。また、ロシアによる核使用のリスクを考慮しても、バイデン政権が米軍を直接派遣する可能性は極めて低いだろう。3月に公表された米調査結果でも、「ロシアによるウクライナ侵攻で米国が積極的な役割を果たすべきか」との問いに対し、「積極的な役割を果たすべきだ」と回答した人は全体の26%に留まり、「最低限の役割に留めるべき」が52%、「役割を果たすべきではない」が20%と、全体の7割以上が否定的な見解を示した。秋に中間選挙を抱えるバイデン政権としても米軍派遣をできる政治状況ではないだろう。しかし、台湾市民は米軍が直接関与するかどうかに着目しているのだ。

沈黙を続ける中国

humphery / Shutterstock.com

一方、ウクライナ戦争で欧米とロシアの対立に国際社会の焦点が集まるなか、依然としてロシアを非難せず沈黙を続ける中国は、密かに対外的影響力の強化に努めている。

最近、習政権は南太平洋の島国・ソロモン諸島のソガバレ首相を招き、両国間で安全保障協定を結ぶことで合意した。ソガバレ現政権は2019年4月に発足したが、同年9月にそれまで国交を結んでいた台湾と断交し、中国と国交を樹立するなど中国への接近を進めており、極めて親中的な姿勢を維持している。

SNSに流失した協定に関する文書では、「一帯一路に従事する中国人労働者を護衛するため中国軍の派遣できる」「中国に警察や軍人の派遣を要請できる」といった趣旨の内容が書かれているが、習近平国家主席が3月に全人代表大会で人民解放軍の海外派遣に言及したこととも関係があるとみられる。

中国の狙いとは?

この安全保障協定は、経済だけでなく安全保障面でも影響力拡大を狙う中国にとって1つのステップになったが、中国が南太平洋へ接近する理由には、台湾と国交を有する国に台湾と断交するよう迫り、中国との国交樹立に変更させる狙いがある。南太平洋にはパラオやマーシャル諸島、ナウルやツバルなど台湾と国交を持つ国が多くあるが、今回のケースのように、中国はまずは経済を表に出し、その後影響力が高まったところで国交への変更や安全保障的な接近を試みていくことは想像に難くない。

今回の動きに、オーストラリアのモリソン首相はこの地域の安全保障への圧力と脅威であると危機感を露わにし、ニュージーランドなどと対応を協議していく姿勢を示したが、同じく台湾も警戒を強めている。台湾有事の際、米軍が関与するとしても西太平洋の戦略環境が極めて重要になるが、中国は米国がウクライナ戦争に集中するなか、密かに台湾有事のことを想定しながら着実に動いている。

https://no-vice.jp/article/113120/
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