猫は引っ越しが苦手?

「犬は人につき、猫は家につく」という言葉があります。犬は飼い主に従い、猫は住み着いた家や場所に執着するという意味ですが、猫はなぜ環境の変化が苦手なのでしょうか。
理由の一つとしてあげられるのが、縄張り意識の強さです。野生下では、狩りをする場所や安全が確保できる寝床など、自分のテリトリーを守って暮らしてきた猫。自分のにおいがする、決まった場所に決まったものがあるなど、見知っている環境は安心材料となります。
しかし、引っ越しによってそれらが一変すると、テリトリーを失うことになってしまい、強い不安を感じるようになるのです。
続いて、猫と引っ越しする際の3つのNG行為を見ていきましょう。
1.引っ越しまで:猫を放置、準備を後回しにする

引っ越しの準備をする中で、家具が減っていく、飼い主が妙にそわそわしている…。こうした変化を猫は敏感に察知します。さらに、猫自身のにおいがするものや、くつろいでいる場所がなくなるのも、大きなストレスになります。
各種手続きや荷造り、不用品の処分など、やることは盛りだくさんですが、猫を放ったらかしにしたり、猫に関係する準備をおろそかにしたりするのはやめましょう。
以下のような点に注意しつつ、計画的に余裕をもって準備を開始すると良いでしょう。
- 猫の生活スペースの荷造り等はできるだけ後回しにして、安心して過ごせる居場所を確保する
- 毛布やおもちゃなどの猫用品は、すぐに取り出せるようにまとめておく
- 移動で使うクレートやキャリーバッグに慣れさせる。おやつやおもちゃなどを活用するのも有効
2.引っ越し当日:猫を自由にさせておく

いよいよ引っ越し当日。ただ、「いつも自由にさせているから」といって、猫が自由に動き回れるようにしておくのはNGです。
猫にとって引っ越し作業は、荷物の搬出や人の出入り、大きな物音がして恐怖や不安を強く感じやすい状況です。パニックに陥った結果、家から脱走してしまったり、思いがけずケガをしてしまったりするリスクが高まりますので、しっかりとした対策が不可欠です。
- 作業中は、静かな部屋に隔離したり、クレートに入れたりする
- 首輪や迷子札、マイクロチップなど、脱走してしまった場合に備える
- 必要に応じて一時的にペットホテルや知人宅などに預けることも検討する
3.引っ越し後:家具も猫のグッズも新調する

無事に引っ越しを終え、新居での新しい生活がスタート!
せっかくだからと、家具はもちろん、猫が使っているトイレやベッドといったグッズを新しくしようと考えるかもしれませんが、ちょっと待って。
冒頭でも説明したように、猫はテリトリーを大切にして、環境の変化を苦手とする生き物です。新居は何もかもが未知の空間。さらに、自分や飼い主のにおいがついたグッズがなくなってしまうのは、猫への大きな負担となりますので、使い慣れたものを持参するようにしましょう。
- 毛布やベッドなど、においが残っている状態を維持する。使用済みの砂をトイレに入れるのもおすすめ
- 食器やキャットタワーなどは、以前住んでいた部屋に近い配置にする
- 猫専用の安心できる小部屋を用意し、猫のペースで新居に徐々に慣れさせる
まとめ

引っ越しは人間だけでなく、猫にとっても大仕事。新居に慣れるまでは、あまり構いすぎずにそっとしておくことも重要です。
ごはんを食べない、嘔吐や下痢をする、毛づくろいをしないなど、いつもと違う場合には、ストレスから体調不良になっている可能性もあります。いつも以上に注意深く様子を観察して、異変があれば動物病院を受診しましょう。
事前の準備と少しの心配りで、愛猫のストレスや負担は軽減できます。大切な家族とともに、ワクワクするような新しい生活が送れますように!
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