家族間のケンカを仲裁する猫?

家族間のケンカと言っても、そのレベルはピンキリです。第三者が見るとケンカに見えても、当人たちは「ただ議論をしているだけ」だと思っている場合も少なくありません。
しかし、はたから見ていると「ケンカをしている家族を仲裁しようとしている飼い猫」という光景を目にすることが少なくないと感じる方も多いのではないでしょうか。
飼い猫が飼い主さん家族のケンカを仲裁しているように見える具体的な猫の行動には、下記のようなものが挙げられます。
- ケンカを止めるまで鳴き続ける
- ケンカをしている人の間に割って入る
- ケンカをしている人のどちらかの足元に行きスリスリと体をこすりつける
これらの行動は、本当に家族間のケンカを仲裁するためにとっている行動なのでしょうか?詳しくみていきます。
猫は自分の気持ちを人に伝える方法を身につけている

ある動物学者の著作に、「猫は鳴き方で人に気持ちを伝えている」ということが書かれていました。実は、発情期などの特殊なケースを除き、普段野生の猫はめったに鳴かないそうです。
しかし、人と一緒に暮らしている猫は、いろいろな鳴き声を使っています。なんとその種類は、20種類近くとも言われているそうです。
これは、言葉やボディランゲージでスムーズにコミュニケーションを図れない猫が編み出した、飼い主さんに自分の気持ちを伝えるための有効な手段なのだということでした。そのため、もし猫が鳴いてもあまり気付いてくれない、または無視しがちな飼い主さんの場合、猫はもっと直接的な方法を取るようになります。
例えば愛猫が、読んでいる新聞の上に座り込んで動こうとしない、見ていたテレビの前に陣取って動かない、パソコンのキーボード上に乗ってしまうなどの経験をした飼い主さんは、大勢いるはずです。
そう考えると、前述の「ケンカを止めるまで鳴き続ける」「ケンカをしている両者の間に割って入る」「足元に行き体をこすりつける」などの方法は、確かにケンカを中断させるための行動と取れなくもありません。
猫は家族間のケンカをやめさせたいと考えているのか

ご紹介したような猫がケンカを仲裁する行動は、本当に家族のためを思っての行動なのでしょうか?その真偽は分かりかねます。
しかし、家族がケンカをすることで、猫自身の生活が乱されていることは間違いありません。そのことにストレスを感じた猫が、原因であるケンカを止めさせたいと考えてもおかしくはないのかもしれません。
ご家族のためなのか、はたまた猫自身のためなのかは別として、ご家族のケンカを止めさせたいという思いがある可能性は高いように感じます。この考え方は、科学的根拠に基づいてはいませんが、完全に否定できるものでもないと考えられます。
猫は猫同士のケンカを仲裁するか

では、猫はケンカをしている猫の間に入って仲裁をすることはあるのでしょうか?
実は、SNSやネット上の記事では、猫同士のケンカをピタッと止めさせてしまう「仲裁猫」と異名をとるような猫もいるようです。しかし、猫の行動学的に考えると、猫同士のケンカを仲裁しようとする猫は少ないと考えられます。なぜなら、猫には猫なりのケンカのルールがあるからです。
猫なりのケンカのルールとは、先にどちらかの猫が降参のサインを出すと、どんなに白熱していたケンカも終了するというルールです。そのため、大抵は威嚇行動の段階で終了することが多く、どちらかが怪我をしたり命を落としたりするようなケンカになることは、基本的にはありません。
ただし、何らかの事情で社会化することなく成長してしまった猫は、ケンカのルールを身につけられず、降参のサインを出せずにコテンパンに痛めつけられたり、相手の降参のサインを読み取れずにコテンパンに痛めつけてしまったりする可能性があります。その場合は飼い主さんが間に入り、上手に仲裁をしなければおさまらないかもしれません。
まとめ

科学的な根拠に基づいた結論ではありませんが、飼い主さんご家族のケンカは、猫にとっての穏やかな生活を乱すストレスになる可能性が強く、そのストレスを取り除くために猫がご家族のケンカを仲裁することがあっても不思議ではないという結論に至りました。
ことに猫はストレスに弱く、メンタル面が参ってしまうだけではなく、体調を崩したり病気を発症したりすることがあります。猫にストレスを与えるケンカや、猫に「ケンカ」だと誤解されるような声を荒げた「議論」は、控えるようにしてあげることをおすすめします。
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