なぜ猫は嘔吐しやすいのか?

猫の嘔吐には、「嘔吐」と「吐出」の2種類があります。違いを簡単に言うと、口にしたものが胃に達する前に吐くと「吐出」、胃に入った後に吐くことを「嘔吐」と呼んでいます。
紹介文でも述べたように、私たち人間と違って、猫は日常的に嘔吐します。なぜかと言うと、毛玉の存在に加え、猫の食道がもともと吐きやすい構造になっているからです。
猫の食道は、上の3分の2が自分でコントロールできる「横紋筋」で成り立っていますが、下の3分の1は意識的に動かせない「平滑筋」でできています。そのため、食道内で食べ物が溜まりやすく、吐き戻しを含めた「嘔吐」が起こりやすい体質と言えます。
1.頭を下げる

猫が吐く前によく見せるサインは、「頭を下げる」ことです。具体的には、人間のしゃっくりのような動作を繰り返した後、突き出すように頭を下げた後、口に入れた食べ物を吐き出そうとします。
猫が嘔吐する背景には、毛玉や早食いだけでなく、消化器系の病気や感染症、異物誤飲、ストレスなどの原因が挙げられます。健康上のトラブルを抱えている可能性もあるので、飼い主さんは嘔吐物の内容をしっかりチェックすることが肝心です。
たとえば、フードをそのままの形で吐いた場合は、早食いや空気の飲み込みが要因として考えられます。緊急性はないため、常態化しない限り、様子見程度で十分でしょう。
ただし、嘔吐物に茶色や赤、ピンク色、黄色の液体が混じっていると、何らかの病気の危険性があります。異物の混入も確かめたうえで、ただちに愛猫を動物病院に連れていってあげてください。
2.横隔膜の収縮(お腹が動く)

次に、猫の嘔吐サインでわかりやすいのは、「横隔膜の収縮(お腹が動く)」です。
一例を挙げると、いつもの食事の場面です。順調に食べ進んでいるはずなのに、なぜか愛猫の動きが止まった瞬間、お腹の辺りが急激に前後運動を繰り返します。いったんはこらえようとしたものの、直後、愛猫は食べたばかりのフードを吐き出してしまいます。
愛猫のお腹の底から何かがせり上がっていくような動きなので、初めて嘔吐を目の当たりにする飼い主さんにとっても、嘔吐のサインとしてわかりやすいかもしれません。
ちなみに、お腹の動きに合わせて、「グポッグポッ」というポンプのような音も聞こえてきます。
3.よだれが増える

最後の3つ目は、「よだれが増える」ことです。
吐く前の前兆として、猫はよだれを垂らしたり、口のまわりをしきりに舐めたりするケースがあります。
猫の嘔吐前によだれが増えるのは、脳内の「嘔吐中枢」の近くに存在する「唾液分泌中枢」も同時に刺激されるからです。人間が吐く場合も同じようなプロセスをたどります。
問題のない嘔吐なら良いのですが、よだれの増加が、異物摂取や口内炎などの歯周病、腎不全などの一症状としてあらわれることもあります。
もし嘔吐時だけでなく、日常的に愛猫のよだれが増えたと感じたら、飼い主さんは迷うことなく動物病院へ相談しに行きましょう。
まとめ

猫と暮らして驚くのは、人間とは比べものにならないぐらい、吐く回数が多いことです。ほとんどの嘔吐は健康上問題のないものですが、なかには、消化器系などのトラブルを抱えている場合もあります。
あらかじめ吐く前の猫の行動を理解しておくと、飼い主さんは素早く対応できるうえに、その後の処理を含めたフォローもしやすくなります。
今回、紹介した内容が、みなさんの愛猫ライフ向上に役立てば幸いです。
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