謎すぎる全力疾走!その正式名称は?

深夜や朝方になると始まる運動会のような光景。何の前触れもなく全力疾走する姿に驚いたことはありませんか?
猫好きさんの間では『深夜の大運動会』というネーミングで親しまれている行動ですが、実は正式名称があるのをご存知でしょうか。
その名は『真空行動』です。真空とは『何もない』という意味で、物質が存在しない真空状態に対して突っ走る行動を表す名称になります。
ところで、なぜ猫は真空行動を度々起こすのでしょうか。"人間には見えない何か"と戦っているのではないかと肝を冷やしている飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
次の項目では、真空行動を起こす理由を解説いたします。
猫が『真空行動』を起こす理由

猫にはいわゆる霊感があるのではないかと不安になっている飼い主さん、まずはご安心を。真空行動は霊的な何かと戦う儀式ではありません。
その真相ともいうべき理由を4つ紹介いたします。
1.狩りをしている

猫には『薄明薄暮性』という習性があります。このタイプの動物は、朝方や夕方などの薄暗い時間帯になると活発になるのが特徴です。
家猫の場合は深夜帯も含まれますが、この時間に"狩りの真似事"をしている可能性が高いのです。つまり、空腹を満たすために本能的に獲物とバトルをしているということになります。
住宅環境の観点から回避したい場合は、就寝前に少量の食事を与えてみてください。小腹が満たされることで自ずとおとなしくなり、少なくとも食が理由で真空行動をすることはなくなります。
2.エネルギーが有り余っているから

中には"エネルギーが有り余っている"という理由で真空行動を起こす場合があります。つまり遊び足りないということです。
このタイプの動機は、子猫や若い成猫に多いのが特徴です。先ほど紹介した習性を活かし、夕方や飼い主さんの帰宅後に積極的に遊ぶ時間を設けてみてください。
とにかくエネルギーを消費させ、遊びの"シメ"としてご飯タイムに持っていくと効果が持続します。
猫にとって遊びは狩り練習という位置づけになるので、最終的に捕獲した獲物(おもちゃ)を調理して食べたと認識させることで満足感が得られるからです。
遊び盛りで食べ盛りな猫には理想のスタイルなので、子猫の真空行動にお悩みの飼い主さんは試してみてください。
3.人間には聞こえない音への反応

猫の聴覚は人間のおよそ4倍。特に高音域の聞き取りに長けています。
つまり霊は見えずとも、人間には聞こえない"外の音"は聞こえており、その音に反応して真空行動が始まる可能性は十分あり得ます。
こればかりは遮音カーテンだけでは防ぎきれないので、防音対策として絨毯を敷くと良いでしょう。
また、近隣の方と顔を合わせる機会があれば「○○階の住人です。猫がいるので、騒がしくてすみません」と一言挨拶しておくと良いでしょう。
名前までは名乗らなくても、その階で猫と暮らしているという素性がわかるだけでも印象は変わります。
また、音だけに限らずすき間風と格闘する猫もいるでしょう。いずれにしても、人間が気にとめないものに反応してしまうのが猫なのです。
4.ストレスや病気の可能性

個体差はあるものの、真空行動は2歳頃をピークに落ち着きます。
多頭飼育であればアクティブなシニア猫が子猫に混ざって参戦することもありますが、単頭飼育の場合は高齢になるとあまり見られなくなるのが特徴です。
それにも関わらず落ち着いた年齢の猫が真空行動を見せるのであれば、次のような疑いがあります。
1つ目はストレスです。最近、愛猫を取り巻く環境や飼い主さんの環境に変化はありませんでしたか?例えば引越しや模様替え、職場における部署異動など。一見関係なさそうな些細な変化も猫にとってはストレスになり得ます。
そして2つ目は病気の可能性です。特に10歳を過ぎたシニア猫が、突如何の前触れもなく真空行動が復活した場合は要注意です。
『甲状腺機能亢進症』を患った猫の症状に、異様な活発性というものがあります。血走ったような目で狂ったように駆け回る・暴食するなどの行動が見られます。
この状態は『まだまだ元気なんだ!』と誤解しやすいので、その雰囲気に異様さがないか疑ってみてください。怪しいと判断した際は、迷わず診察を受けてください。
まとめ

まるで運動会でもしているような猫の行動は、『真空行動』と呼ばれるものでした。主な理由としては次のようなものがありましたね。
- 本能的に狩りの真似事をしている
- 運動不足や遊び不足で元気が有り余っている
- 人間には聞こえない音や風に反応している
- 病気やストレスを抱えている可能性がある
特に気をつけたいのは、病気やストレスです。中でもストレスは厄介な存在です。小さなストレスに気づき、安心感を与えてあげてください。思う存分甘えさせてあげる、一緒に遊ぶなどの行動も効果的です。
以上が、謎すぎる全力疾走の正体でした。猫の特性によっては全く真空行動を起こさないこともあります。これ自体に異常はないので、食欲やトイレの様子、行動に不自然な点がなければ個性だと思って受け入れてあげて大丈夫です。
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