1.何度もくり返し吐く・吐こうとする
猫が何度もくり返し嘔吐をする、もしくは吐こうとしているけれども吐けないといった場合は、誤飲・誤食が疑われるでしょう。
誤飲・誤食で胃の中に異物がある状態では、胃の粘膜を傷つけて胃が荒れたり、異物が刺激となったりして嘔吐を引き起こします。
また食べても、水を飲んでもそれを吐いてしまう、食欲がなくぐったりしているといったときは、飲み込んだ異物が腸に詰まっている可能性があります。いわゆる腸閉塞です。腸閉塞を起こしている場合は命にかかわりますので、早急に動物病院を受診しましょう。
2.食欲がない
猫の誤飲・誤食では、食欲不振もよく見られる症状です。
とくに食欲不振と同時に嘔吐や、お腹を触ると嫌がるなどの症状が見られたら注意しましょう。腸閉塞の可能性があります。
ただし誤飲・誤食をしていても、必ずしも食欲がなくなるわけではありません。食欲があっても、くり返し吐くなどの症状が見られる場合は、可能性が否定できないでしょう。
誤飲・誤食が疑われる状況では、食欲があっても飲食はさせずに動物病院を受診してください。
3.うんちが出ない・下痢をする
うんちが出ない、下痢をするというのも猫の誤飲・誤食のサインのひとつです。
誤飲・誤食が原因で腸閉塞を起こすと、食べ物などが腸内を通過できなくなります。当然、うんちも通過できなくなりますので、出なくなる、粘液が少しだけ出るといった症状が見られます。
また中毒物質を食べてしまった場合は、下痢になることも多いです。もし下痢のほかにも嘔吐やよだれを垂らす、痙攣(けいれん)をしているという場合は、中毒の可能性が考えられるでしょう。
摂取した毒物によっては時間勝負で、すぐに治療を開始しないと命にかかわる危険なものもあります。毒物を摂取した可能性があるときは、様子を見ずに早急に動物病院を受診してください。
4.呼吸が苦しそう
猫が誤飲・誤食をした際に運悪くのどに異物を詰まらせてしまうと、呼吸困難や窒息のリスクがあります。
異物をのどに詰まらせると息苦しさから口をパクパクさせる、舌や歯茎が青紫色になる(チアノーゼ)といった症状が見られます。
そのほか詰まった場所によっては、吐き出そうとする、咳き込む、のどから「グゥグゥ」という音が聞こえる場合も。
異物を目の前で飲み込んですぐに呼吸ができない状態の場合は、猫を片手で持ち上げて、頭を下にし背中を軽くたたきます。すぐに出てこない場合は、直ちに動物病院を受診してください。
ただし、異物以外で呼吸が苦しそうな場合に無理な体勢を取らせると、その行為が命取りになることもあります。目の前で異物を飲み込んだ場合に限りまずは上記の処置を行い、それ以外の場合はすぐに動物病院に向かってください。
異物が見える場合は引っ張って取り出すという方法がありますが、嫌がって暴れられる可能性が高いです。
また詰まらせているものが紐の場合は、見えていても引っ張ってはいけません。体内を傷つけてしまう可能性があります。どちらの場合も早急に動物病院を受診しましょう。
5.うずくまって動かない
誤飲・誤食をした猫がうずくまって動かないときは、胃に穴が開く胃穿孔(いせんこう)や腸壁に穴があく腸穿孔(ちょうせんこう)、中毒などの重篤な状況の可能性があります。つまようじ、針、魚の骨など先の尖ったものを誤飲・誤食し刺さってしまった場合に起こります。
胃や腸に穴が開いているのは、命にかかわる大変危険な状態です。誤飲・誤食をした可能性のある猫が、うずくまって動かないときは、早急に動物病院を受診してください。
まとめ
猫の誤飲・誤食は命にもかかわる危険な事故です。とくに好奇心旺盛な若い猫に多い傾向があります。
誤飲・誤食を防ぐいちばんの方法は、猫の手が届く場所に危険なものを置かないことです。人間のものはもちろん、猫用のおもちゃでも簡単に壊れて誤飲・誤食につながってしまうものがありますから、遊んだ後は必ず片付けるようにしましょう。
もし愛猫が誤飲・誤食をしてしまった可能性がある場合は「いつ・なにを・どれくらい」飲み込んでしまったかを確認し、可能ならば飲み込んだ残りを持って動物病院を受診してください。
誤飲・誤食は時間勝負の場合も多いですから、気づいたらなるべくすぐに行動をしましょう。
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