1.『鬼の居ぬ間に洗濯(ロシア、ベルギー)』
日本のこのことわざには「猫」という言葉が含まれてはいませんが、ロシアやベルギーの同じ意味合いのことわざに、猫だけではなく、ネズミも登場します。
ロシアでは『猫がいなければネズミが好き放題』、ベルギーでは『猫が留守の間、ネズミはテーブルで踊る』という意味のことわざが存在するのです。
いずれも「監督する者がいない間に、好き勝手に振る舞う」と言う意味を表現していますが、確かにそのような場面は世界共通で見られるのでしょう。
自習を告げられたクラス、上司のいない職場など、考えてみれば日常的にこのことわざのようなシーンはある気がします。
個人的には、可愛くて癒しの存在なはずの猫が怖い立場で描かれているのが気になりますが、捕食される側のネズミからしてみれば猫は脅威でしょうから納得です。
2.『君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む(中国)』
少々理解が難しいのですが「君子(徳の高い人)は責任を全て自らに求めるが、小人(小物)は他人に求める」という意味のことわざです。
中国のことわざでは、「猫に命令すると、猫はそれをしっぽに与える」と表現されます。また、こちらの犬バージョンが、トルコにもあるそうです。厳密には日本のことわざとは少し異なるかもしれませんが、要約すると「自分の責任は自分で取りなさい」と言っているのでしょう。
確かに、他人など周りばかりのせいにしていると成長しないので、ちょっと耳が痛い話ではありますが、厳しいながらも愛情のあることわざと受け取れます。
3.『猫に九生あり(イギリス)』
『猫を殺せば七代祟る』という背筋が凍るようなことわざが日本には昔からありますよね。猫を殺すと死後もその思いは残り、七代ですから数百年の間祟られ続ける、と考えられていたようです。
猫は昔から神秘的であり、はたまた悪魔的な存在であるとも考えられてきました。昔の日本人は、猫に執念深さを感じていたのでしょうか。
ただし、同じような意味で『猫に九生あり(Cat has nine lives.)』というイギリスのことわざがあるのですが、こちらはさほど物騒ではありません。
「猫は九つの命を持っている。3つは遊ぶため、3つは放浪するため、そして3つは人と一緒にいるため」というものです。このことわざは古くから伝わるもので、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』にも登場します。その起源は確かではありません。
猫は古代エジプトでは「神の使い」と考えられていました。その身体能力の高さや厳しい状況からも生き残る様子を見て、神から特別な力を与えられているのだと思われていたのではないでしょうか。そのため、命をたくさん持っている、とされても不思議ではないのかもしれません。
尚、スペインでは七つ、トルコとアラビアでは六つの命と語られてきたようです。いずれにせよ、世界共通の認識として、猫は複数の命を持っている神秘的な存在として扱われてきたのでしょう。
4.『たった1匹でも猫がいる家はしあわせ(イタリア)』
こちらは、イタリアのことわざです。言葉からにじみ出ている明るい空気感がいかにもイタリアらしいですよね。
実はこのことわざは猫好きの間では広く知られているようで、本やグリーティングカードなどにも良く使われている言葉だそうです。実際『猫を家に迎えると幸福度が上がる』という調査結果もありますので、まさに愛猫家の真理を物語っている言葉なのですね。
家に猫が1匹いればしあわせ、2匹いれば更にしあわせ、3匹いれば…。猫の数が増えるほど幸福度も増すのは否定しませんが、飼いすぎにはご注意を。
まとめ
猫に関連したことわざは、世界中で多く存在するようです。少し調べただけでも、紹介しきれないほどの量が出てきました。
日本からだいぶ離れている国でも同じように猫に関することわざがあるのは、とても面白いですし興味深いですよね。
猫はそれだけ古くから人の関心を引く動物という証拠なのかもしれません。
他にも猫にまつわる「世界のことわざ」はたくさん存在しています。ぜひご自身でも一度調べてみてはいかがでしょうか。すぐにでも使いたくなるようなお気に入りが見つかるかもしれませんよ。
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