『猫にとって危険なおもちゃ』と聞くと原材料などが危険なのかな?と思うかもしれません。
今回は、原産国や原材料、使われている薬品などが猫にとって危ないかも…という観点ではありません。
実は、猫にとって一番危険になりうるおもちゃとは『誤飲の可能性があるおもちゃ』なのです。
日頃から、気を付けている方も多いと思いますが、ペットショップで販売されているおもちゃや、SNSで見かける人気おもちゃの中には、猫が誤飲してしまう可能性があるのでは?というおもちゃもよく見かけます。
猫が誤飲する可能性のあるおもちゃとはいったいどんなおもちゃなのでしょうか?
また、なぜ猫がおもちゃを誤飲すると『危険』なのでしょうか?
まとめてご紹介します。
◆猫の誤飲って危ないの?
そもそも猫の誤飲とは危険なものなのでしょうか?
金属や紙、プラスチックや紐など、胃では溶けないものを猫が食べてしまうことを、猫の誤飲というのですが、誤飲は命に関わる危険な場合が多いのです。
誤飲してしまったものを猫が吐き出せるか、うんちから排泄できればいいのですが、猫の胃の中に誤飲したものが残ってしまった場合、『腸閉塞』を起こしてしまいます。
簡単に言うと、猫の腸が誤飲物で塞がってしまうので、ご飯を食べても腸が正常に動かず、嘔吐を繰り返したり、食欲不振になったり…。
最終的には猫の腸が破裂し、命を落とす可能性もある怖いものです。
猫が誤飲した場合は、誤飲したものを吐き出すか、手術や内視鏡で誤飲したものを取り出す以外は、治療方法はありません。
◆誤飲する可能性のあるおもちゃとは?
①パーツの小さなおもちゃ
薄いプラスチックでできていたり、プラスチックの小さな目がついていたりするようなおもちゃは昔からあります。
しかし、薄いプラスチックのおもちゃや小さいパーツのあるおもちゃは、猫の噛む力で破壊でき、その勢いで猫が誤飲してしまう可能性があります。
我が家の先代猫も、よく薄いプラスチックに毛がついていて、小さな目のついたおもちゃで遊んでいましたが、2日ほどでバキバキに噛み砕いてしまい、パーツがなくなってしまったことがありました。
幸い、うんちと一緒に出てきましたが、私は生きた心地がしませんでした。
猫は遊びに夢中になっていると、気がつかずに変なものを飲み込んでしまうことがあるようです。
小さなパーツの多いおもちゃや、猫が噛み砕き飲み込んでしまいそうなおもちゃは、遊ばせるのは避けた方がいいかもしれませんね。
②ボール
よく売られている猫用の布製ボールなどは猫が飲み込むことが難しい大きさで作られているため、猫が誤飲する危険性は低いと思います。
猫が誤飲する危険性の高いボールは『手作りボール』です。
あなたは猫の抜け毛やアルミホイル、テープなどで作ったボールで猫を遊ばせていませんか?
自分の抜け毛では誤飲しないだろう、と思う方もいるかもしれません。
しかし、自分の抜け毛でも胃では溶けないので、塊であれば腸閉塞の危険性はあります。
長毛の猫は、稀にグルーミングで飲み込んだ毛によって腸閉塞を起こすこともあるので、決して『猫自身の抜け毛なら猫にとって安全』というわけではないのです。
小さめの毛玉だと、自分の匂いもするので、猫が遊んでいるまま飲み込んでしまうということも少なくないようです。
抜け毛ボールを作るなら、猫の口には含めないほど大きなものを作ってから猫に遊んでもらいましょう。
また、アルミホイルやテープなどで作ったボールは、猫が遊んでいるうちに細かく破れて、猫が飲み込んでしまう可能性が高いです。
大きなボールを作ったとしても、誤飲の危険性は高いので破れやすい素材でのボール作りはやめておきましょう。
③ひも・ゴム
猫はひも状のものやゴムが大好き。
すぐにじゃれつく猫も多いのではないでしょうか。
おもちゃとして売られているひもやゴムは、猫が飲み込めるほど細くはなかったり、飾りがついていたり、飲み込めない工夫がされていることが多いので、誤飲する危険性は低いかもしれません。
しかし、お家にある細いひもやゴムを猫のおもちゃとして使っているのであれば、注意が必要です。
ひもは飲み込んでしまうと長いため、腸閉塞を起こしやすいと言われています。また、猫が飲み込むことが多いものでもあるのだそう。
実は、私も経験があります。
先代猫がおもちゃを運んできた…と思って猫をみると、口からひもがだらぁっと垂れていて、なんとかひもを口から出そうともがいていたんです。
幸い早期に発見できて、口からひもを引っ張り出せましたが20センチ近いひもを飲み込んでおり、気がつかなかったらどうなっていただろうとすごく怖くなりました。
(私は驚いて自分で引っ張り出してしまいましたが、食道などが傷つく可能性もあります。獣医さんに相談できる場合は判断を仰いでください。)
ひもやゴムが好きな猫は多いと思いますが、遊ばせるのであれば、遊び終わるまでしっかりと猫を観察し、猫が勝手にひもやゴムをさわれないようにしましょう!