生き物には食べ物は必要不可欠です。
愛する猫には美味しいご飯を毎日しっかりと食べてもらって、元気でいて欲しいとどんな飼い主さんでも思っているのではないでしょうか。
フードボウルに入れた餌も、できれば猫に全部きれいに食べてもらいたいもの。
ですが、フードボウルに少しだけ餌が残っていることってありませんか?
餌が気に入らなかったのか、はたまた病気?と不安になることも……。
なぜ猫は餌を少しだけフードボウルに残すことがあるのでしょうか?
理由をご紹介します。
◆非常食として残している
猫は元々、狩りをして暮らしていた動物です。
猫に限らず、狩りは上手くいく日もいかない日もあります。
時には、何日も狩りが上手くいかず、何日もご飯を食べることのできない日が続くことも、野生で暮らしていた猫にはあったでしょう。
狩りが上手くいかなかった日のために、猫は獲物を1日で食べてしまうことはなかったと言われています。
しかも猫は元来少食。
狩りをしなくてはいけないので、体が重くならないよう、セーブして食べていたようです。
獲物を残しておくため、食べきれなかった獲物は、すぐに食べきるのではなく、保存食として隠して取っていたのだそう。
現在、人間に飼われている猫達も、獲物を保存食として取っていた祖先達の記憶を本能的に持っているのでしょう。
今のイエネコ達も、ご飯が食べられなくなる心配はないけれど、万が一、ご飯が食べられなかった時のために餌を少し残し、『保存食』として残していると考えられています。
◆味
猫は結構味にうるさい動物です。
いつもと同じ餌でも、少し商品仕様が変わり、味が変わってしまったことで、餌を残すこともあります。
また、餌は開封してから時間が経つと酸化し、味が変わります。
餌が酸化してしまったため、猫が餌を残すこともあるようです。
それだけではなく、人間も同じものを食べ続けていると飽きるように、猫も同じ味の餌ばかりを食べていると、飽きることがあります。
そのため、他のものが食べたいというアピールのために、餌を少しだけ残すこともあるようです。
しかし、好きな味の餌しか食べない猫もいるので、猫をよく観察し、【餌に飽きて猫が餌を少量残している】のか【餌の味が劣化して猫が餌を少しだけ残すのか】のかを見極めましょう。
また、急に餌を変えた場合も、猫は餌を残すことがあります。
いつも食べている餌の味と違うことに違和感を感じて、餌を残す猫もいるようです。
味に違和感を覚えるだけでなく、変えた餌が猫の体に合わないこともあります。猫の餌を別のメーカーの餌に切り替えるときは急に切り替えてはいけません。
1週間~10日くらいは前の餌と新しい餌を、少量づつ混ぜながら徐々に切り替えましょう。
そうすることで味に対する違和感もなくなり、猫の体に餌が合うのかもわかります。
猫が餌を少し残すようになったら、餌の味や鮮度に変化がないかを確認してあげましょう。
◆病気
今まで餌をきれいに残さず食べていたのに、猫が餌を急に食べ残すようになった場合は病気の可能性もあります。
病気が原因で猫が餌を残す時は、基本的に『少量を食べ残す』というわけではなく、『ほとんど食べない』という状態になる場合が多いのだそう。
また病気の場合には、食欲不振以外に下痢や嘔吐など別の症状が現れることがほとんどです。
下痢や嘔吐などの症状がなくても、よだれが増えた場合には、口内炎や歯周病が原因で、猫が餌を残していることもあります。
猫に餌を食べる様子が見られない、少しだけ食べてほとんど残す、という場合には念のため病院を受診しましょう。
◆猫が食べ残した餌はどうするの?
猫が少しだけ残した餌を、皆さんはどうしていますか?
猫に食べてもらうために、餌をそのままフードボウルに残しておく人もいるかもしれませんね。
しかし、猫の食べ残した餌はそのまま置いておいてはいけません。
猫の餌は酸化して劣化します。
猫が残した餌は酸化した味が変わるだけでなく、猫の体にもあまりよくありません。
人間でもわかるほど、酸化した猫の餌は匂いも変わり、猫は余計に餌を食べなくなります。
猫が残した餌は取っておかずに、少しもったいないですが、捨ててしまいましょう。