『猫は虫歯にならない』と聞いたことはありませんか?
猫は人間のように虫歯になることはないから、歯磨きをしなくても大丈夫!という話を聞いたことのある飼い主さんもいるのではないでしょうか。
でも、猫の歯に黒いものが見えたり、猫の歯に穴があいているのを見つけた、という『虫歯』のような症状になっている猫の相談を受けることもあります。
猫の『虫歯』に似た症状は虫歯ではないのでしょうか?
猫は虫歯にならないのか、調べました。
◆猫は虫歯にならないの?
実は、本当に猫は『虫歯』になりにくい動物だと言われています。
『絶対に猫は虫歯にならない』と言うわけではありませんが、猫が虫歯になる確率は結構低いようです。
猫の口の中に虫歯ができない理由は諸説あるそうですが、『人間と猫の口内では虫歯の住み心地が違う』ということが一番の大きな理由ではないかと考えられています。
人間の虫歯の原因となるのは『ミュータンス菌』という菌なのですが、酸性の環境で増えやすいとされています。
人間の口の中は弱酸性なので、虫歯菌が増えやすい環境ですが、猫の口の中はアルカリ性なので虫歯菌が増えにくい環境なのだそう。
また、猫の歯は肉食なので『牙』のようなとがったものが多いのが特徴です。
一方、人間の歯は雑食なので犬歯もあれば、臼型の歯もあり、色々な歯の形をしています。
人間の歯は色々な形があり、虫歯菌の餌となる汚れが落ちにくいですが、牙の多い猫の歯は汚れもたまりにくく、虫歯菌の餌も少なくなります。
アルカリ性の環境に加え、餌も少ないので根子の口のなには虫歯菌が増えづらいのかもしれませんね。
◆虫歯とよく似た猫のはの病気とは?
猫は虫歯にはなりにくいですが、猫特有の歯の病気にかかることがあります。
猫の歯の付け根辺りに小さな傷や穴が開き、徐々に歯が溶けていく…、なんとも虫歯とよく似た病気です。
破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)と呼ばれる病気で、歯の組織が破壊吸収されてしまうのだそうです。
人間の虫歯と本当によく似ている症状ですが、虫歯菌が原因となっての症状ではないので、猫の場合には似た症状だったとしても『虫歯』とは言いません。
猫の破歯細胞性吸収病巣の詳しい原因はわかっていませんが、人間の虫歯のように菌で症状が起こるわけではなく、細胞が歯を壊し溶かしていると考えられています。
穴が開いた歯はピンク色の肉芽組織…いわゆる歯茎のようなものにおおわれます。
そのため、穴が開いていても痛みなども感じず、無表情で過ごしている猫も少なくないようです。
しかし、人間の虫歯と同じく、症状が進むと猫の破歯細胞性吸収病巣歯も痛みを伴うこともあり、食欲不振になってしまう猫もいるのだそう。
プラークコントロールだけで治る場合もあるようなのですが、抜歯しか治療方がないこともあるようです。
猫を歯磨きするときに、猫の歯が溶けていたり、穴が開いているのをみつけたら、まずは病院で診てもらうようにしましょう。
◆一番多い猫の口内トラブルとは?
猫の口内トラブルで一番よく聞くのは『歯周病』です。
猫の歯周病は、人間の歯周病と同じように、歯石がたまっていたり、歯肉炎が悪化して起こります。
猫の口が急に臭くなった場合、大抵『歯周病』もしくは『歯肉炎』が原因です。
他にも猫の歯茎が腫れてしまったり、歯が抜けてしまうなどの症状がみれます。
猫の歯周病は歯磨きをしっかりとしていれば防ぐことのできる病気です。
猫の歯周病に気がついたら、早めに治療をし、猫に歯磨きをする習慣を身に付けましょう!
いかがでしたか?
猫は人間とは違い、虫歯にはなりにくいかもしれません。
しかし、だからといって猫の歯磨きをしなくても大丈夫!というわけではないようです。
猫の歯周病は歯磨きをしていれば防ぐことができますし、破歯細胞性吸収病巣も早期に発見することができます。
できれば人間と同じように毎日猫も歯磨きをするのが理想らしいのですが、難しいようならできる範囲でいいので、猫の歯磨きも習慣にして、健康な歯を保つようにしましょう。