とあるシッター先でのお打ち合わせの日。
飼い主さんと猫さんが仲良くお出迎えしてくれました。
「こんにちは、お名前は?」
「(ゴミです)」
「-------え?!」
ゴミちゃんは設計事務所のゴミ置き場に捨てられていたところを今のご家族に保護されました。
ゴミちゃんは今、設計事務所の営業部長として、そのユニークな名前と天性の甘え上手「ゴロゴロお膝接待」を武器に顧客との契約に一役買っています。あのゴミ捨て場、実は宝の山だったのですね!
「はぴぼん」、心くすぐられる名前です。
由来はなんでしょう?
「この子はお墓参りの時に拾ったんです。幸せになるように願いを込めて(ハッピーお盆)」
お客様のセンスに脱帽です。
びっくりしたのは、山田さん宅に「三浦さん」がいたこと。
「拾った方の名前をもらいました」とのこと。
拾い主さんが遊びにいらした時は、猫を決して呼び捨てにしないでね・・・と心の中でつぶやきました。
「ごはんだけあげてる外猫なんです。名前つけると情が移るので(ノラ1号)って呼んでました。
でも家猫にしちゃったので、今は「いちごう」なんです!」
耳で聞く限り同じ名前ですが、字を見るとお客様の温かさが伝わってきます。
猫の名前は、ただの記号ではありません。
名前を呼び、呼ばれるうちに飼い主さんと猫との間には深い絆が生まれてきます。
どんなにへーんな名前でも「これ!」と決めたらそれは猫にとって大事な名前になるのです。
私はシッター先で「本名」のほかにも、必ず猫の愛称を伺うようにしています。
時には愛称の方が、猫に親しみを持ってもらえることがあるからです。
猫の名前、その由来を聞けば聞くほど、人と猫の繋がりを感じます。
名前、それはあなたと猫をつなぐ大事な、大事な掛け橋なのです。