我が家には犬が2匹と猫が1匹。そして地域猫のしらすちゃんの世話をしています。4匹との暮らしの中で、つくづく思うのが、
「犬と猫ってどうしてこんなに違うのか!」
ということ。
まあ、猫の方が「どんだけワガママなんだ。。。」と思うのは想定内ですが、不思議に思うのは、この犬と猫、
「まったく同じ行動をしていても、その意味はまったく違う」
ということ。これは知っておくといいかも知れません。
どちらも大切なパートナーであるワンコとニャンコ。お互いに仲良く暮らすためのポイントについてもご紹介します。
■犬と猫、排泄物に砂をかける理由はまったく反対だった!
犬と散歩にでかけると、道端にフンをしたあと、フンの周囲の土を蹴散らす仕草をします。これは一見フンに土をかぶせようとしているように見えますよね。
しかしこの犬の行動は、実は全く違うということをご存知でしたか?
犬がこのように土を蹴散らすのは、自分のニオイを周囲に伝えるマーキング行為と一緒です。犬の足の裏の肉球の間には趾間線という分泌腺があります。
犬は肉球を激しくキックさせることで、自分のニオイをフンの周囲に撒き散らしているのです。
また、犬の肛門には、肛門嚢と呼ばれる器官があります。犬はフンをするときにこの肛門嚢がら自分のニオイである分泌物を出してさらに自分のニオイを強調します。
つまり、犬はフンと土を蹴散らす行為によって、自分の存在を主張しているのです。
それにひきかえ、猫が自分の排泄物に砂をかけるのは、逆に自分の存在を隠すため。なぜなら自分のフンを放置しておくと、外敵に自分の居場所に知らせることになります。
猫は排泄物を隠すことで、外敵から身を守り、敵に見つからないようにしているのです。そのため、外敵の心配のないイエネコの場合、この排泄物に砂をかける行為をしない猫がいます。
犬はどんな場合でも砂を蹴散らすのに対し、この行為をやらない猫がいるのは、このような理由があるからなのですね。
■犬と猫がしっぽを振る理由

私が帰宅すると、まるで車のワイパーのようにしっぽをブンブン振って出迎えてくれるのは2匹の猫。その姿を高い階段の上から「家政婦は見た!」の姿勢でこちらを見つめるのは愛猫のカイトです。
そう、犬は嬉しい時はしっぽを振りますが、猫はどちらかというと上機嫌なときはしっぽをピンと固定して近づきてきますよね。
しかしこのときの犬がしっぽを振る理由、必ずしも「嬉しい!大好き!」という気持ちだけではないようです。
犬がしっぽを振るのは、たいてい「興奮している」とき。そして猫がしっぽを振るのは、たいてい「不機嫌」なときです。
猫をナデナデしていると、そのうちしっぽをパタパタと振り始めますよね。これはそろそろ飽きたにゃ、のサイン。
このサインを見逃すと、突然の猫パンチに見舞われます。犬の場合はベロベロと顔を舐めてくれますが、猫はさっとどこかへ行ってしまう合図です。
犬と猫がしっぽを振る理由も、実はまったく意味が違うようですね。
■犬とネコがマーキングする理由
犬と猫が自分の縄張りを示すために、シャーっとオシッコをかけるマーキング行為。これは犬も猫も、
「ここは俺様の縄張りだ!」
という意味が込められています。
しかし違う点もあります。それは猫が自分の顔をスリスリと飼い主さんの足元などにすりつける行為。これは猫のマーキングでもありますが、その意味は「愛情表現」なのだとか。
そしてもうひとつ。猫は柱や自分がお気に入りの場所にもスリスリします。この時のスリスリは自分の頬や顎から出ているフェロモンをこすりつけて「安心感を得ている」のだとか。
これは集団行動が習性の犬には見られない行動です。単独行動が習性の猫は、縄張りに自分のニオイをつけることで安心できると言われています。
■最後に
いかがですか。実は同じように見えて全然違った犬と猫の行動の意味。同じ動物、人間と暮らすペットなのに、その行動はやはり独自のスタンスがあるようです。
しかしもともと、犬も猫も人も、今から2億2500万年前は、「アデロバシレウス」という哺乳類が共通の祖先だったそうです。
アデロバシレウスは地球上の最初の哺乳類の祖先。さらにその哺乳類の祖先と言われているのがキノドンという恐竜です。
もともとの祖先は犬も猫も人も皆同じ。だから仲良く暮らせるのかも知れませんね。