何度言ってもソファーの爪とぎをやめてくれない、大事な小物をおもちゃにして遊ぶ、入室禁止の台所へ侵入してゴミ箱を漁る……。
世界で一番可愛い「うちの子」でも、やはり困った行動をするときはビシッと叱りたいですよね。
しかし悲しいかな猫と人は意思の疎通がうまく行かない場合があります。人間のNO!が、猫にとってはOK!と感違いすることもあるかも。そして意外に、猫に伝わらない「NGな叱り方」をしている飼い主さんも多いようです。
猫と仲良く暮らして行くには、やはり善悪はきっちり教えたいもの。今回は、飼い主さんが誤解しがちな、猫にやりがちな叱り方、5つのNG行為についてご紹介します。
■面と向かって言葉で説教する
これは結構私もやりがち。「ダメでしょ!」「全くもう!」「何度言ったらわかるの!」と言葉で猫に説教することはありませんか?
この行為、まさに猫の耳に念仏。猫は飼い主の感情を「言葉」で理解できません。猫にしてみると突然「大声」を自分に向けられてむしろわけがわからないかも。
面と向かって言葉で説教する、という行為は、飼い主さんのストレス解消にはなるかも知れませんが、猫の叱り方としては意味のないNG行為と言えるでしょう。
■背中やお尻を手で叩く
体罰は厳禁、とわかっていても、感情に任せてつい猫の体を叩いてしまった、躾の意味を込めて、悪いことをしたら猫の背中やお尻を手で叩くようにしている、そんな体罰を与える飼い主さんもいるかも知れません。
しかし猫にとって体罰は防衛本能を刺激する行為。猫が飼い主さんを敵だと思ってしまうかも知れません。
猫への体罰は、最初は怖がって逃げたとしても、いつか逆に飼い主さんに攻撃してくる可能性もあります。
猫は嫌なことをされると忘れない、と言います。お互いの関係が悪くなるかも。背中やお尻を手で叩くなど、猫への体罰は全く意味のないNG行為です。絶対にやめましょう。
■猫の目を見つめて怒った顔をする
「こら!」「ぎゃー!」など、猫を威嚇するような声を発しながら、猫の目を見つめて怒った顔をする飼い主さん、割といますよね。
これは相手が「ごく小さい人間の子供」なら効果があるかも知れませんが、猫には意味がないかも。猫の目を見つめる、という行為自体、猫に喧嘩を売っているのと同じことです。
猫にしてみれば、反省どころか、飼い主に対して「一体どうして?」と不安や誤解を生む行為です。お互いの信頼関係にヒビが入るかも知れません。
■大声で部屋を走る回って猫を追い回す
猫がゴミ箱から出汁の袋をくわえて逃げたとき。「ダメでしょー!」と大声で叫びながら部屋を走り回って猫を追い回したことがあります。
しかしこれ、全く猫は反省しませんでした。結局猫は、こちらの都合は考えない、やりたいことはやる動物です。
猫にやられたくないなら、こちらが「やられないように」対策を立てるしかありません。猫は本能のままに生きています。猫を変えよう、と思うのは最もやってはいけないNG行為かも知れませんね。
■猫の体を背後からぎゅっと押さえつける
猫が危ないことをしそうなとき。思わず「ダメだよ!」と猫の体を背後からぎゅっと押さえつけてやめさせたことはありませんか?
「もう、危ないからやったらダメでしょ。」という行為ですが、これは全然猫には伝わりません。
猫によってはむしろ「飼い主さんが遊んでくれる!」「構ってくれて嬉しい」と感違いしてしまうかも。
逆に触られて驚き、猫に爪で逆襲される可能性もあります。これはやめたほうが良いNG行為です。
■最後に
いかがですか。猫に対して飼い主さんがやりがちな叱り方、5つのNG行為をご紹介しました。猫は警戒心が強いので、「嫌なこと」はすぐに覚えて避ける習性があります。
飼い主さんが叱っても猫が困った行動を繰り返すのは、その叱り方が猫の「嫌なこと」ではないから。
つまり、猫を叱るときは猫が「嫌なこと」をするのが有効です。時間をおくと意味がないので、猫が困った行動をしたら、その場ですぐに、「猫が驚くくらいのインパクト」で、猫の「嫌なこと」をすると良いでしょう。
私の知り合いは音に敏感な猫に対して、「ペットボトルをグシャグシャと潰す音を聞かせる」という方法を編み出したそうです。普段聞きなれない音に、猫はびっくりして逃げ出してしまうとか。
「どうせペットボトルは潰して捨てるんだから一石二鳥でしょ。」
と言っていました。確かにいいかも?よかった参考にしてみてくださいね。