毎日一緒に暮らしている愛猫。後ろを向いていても、名前を呼ぶと耳だけこちらを向いたり、しっぽをクネクネと動かしたり。
見慣れている猫の何気ない行動ですが、これって、実はすごいことですよね。人間でも、犬でも猫のように耳を動かすことなんて出来ません。
そもそも、どうして自由自在に爪が出し入れできるの?よく考えると猫の体には不思議がいっぱい詰まっています。
こんなに体のパーツを自在に動かせるのは猫だけかも?今回は、実はすごかった猫の体の仕組みについて調べてみました。
■猫の爪が自由自在に出せるワケ
いきなりニョキッと現れる猫の爪。猫は音を立てずに獲物に近寄れるように、爪をしまって歩きます。そもそも猫の肉球が可愛いのは、「爪がない」からかも知れませんよね?
普段は爪の根元にある収納スペースに爪をしまっている猫ですが、必要とあれば瞬時に猫は爪を立てます。その動きを助けるのは前足の指の骨をつなぐ靭帯と、猫のヒジあたりから爪の根元まで伸びている「深指屈筋」と呼ばれる腱の働き。
猫の爪は普段は靭帯に引っ張られて引っ込んでいますが、この深指屈筋が縮むことで腱が引っ張られ、爪が出るという仕組みになっているのです。
ちなみにこの深指屈筋という聞きなれない筋肉は、人間の腕にもちゃんとついています。ヒトが指を曲げたり伸ばしたりできるのはこの深指屈筋のおかげです。
■猫の耳はどうしてよく動くの?
ピクピクと常に動いている猫の耳。なんと180度まで自在に動かすことができるそうです。猫の聴覚はヒトの8倍。アリの足音まで聞くことができると言います。かすかな音も聞き逃さないのは、耳を動かすための耳介筋が数種類の筋肉から出来ているから。
背耳介筋と呼ばれる筋肉が収縮すると、猫の耳はピンと立ちます。猫の耳を内側に向けるのは前耳介筋と呼ばれる筋肉。
猫の耳を外側に向けたいなら後耳介筋が活躍します。耳を傾けたい方向に合わせてそれぞれの筋肉が収縮することで、猫の耳は自由自在に動かすことができるのです。猫と違って人間の場合は外耳介筋、内耳介筋の2つの筋肉しかありません。
よく耳をピクピク動かせる人がいますが、あれは一体どうやって動かしているのでしょうか。。。
■猫のしっぽにも筋肉ってあるの?
クネクネ、ユラユラ、猫のしっぽは気持ちを表すパーツとしてとても繊細な動きをします。様々な動きをする猫のしっぽには、なんと左右対称に6種類もの筋肉がついているのだとか。
猫のしっぽの筋肉は、それぞれ動かす方向が決まっています。例えばしっぽをピンと立てたいときに使われる筋肉は仙尾筋という背中側についている2種類の筋肉が収縮します。
しっぽを下げたい場合はお腹側についている2種類の筋肉が収縮します。猫のしっぽを左右にユラユラと揺らしたい場合は「尾横突間筋」という筋肉が収縮してしっぽを動かしているのです。
■猫がいきなり高くジャンプできる理由
猫はもともと後ろ足のかかとをあげたまま歩いています。人間なら常に爪先立ちしている状態。思わず「筋肉痛にならないの?」と心配してしまいますが、実はこれがとても大切な役割を果たしているのです。
猫の前足と後ろ足を見比べてみてください。猫の後ろ足は前足よりも随分長いことがわかりますよね。
猫の後ろ足は、常に膝を折り曲げてバネをためた状態です。猫は高くジャンプするとき、この膝をさらに深く曲げ、一気に伸ばすので勢いがついて高く飛べるのです。
猫は野生時代に敵から身を守るために木の上などに瞬時に登る必要があったので、大腿二頭筋が発達し、高くジャンプできるようになったのでしょう。
■猫がアクロバティックに体を動かせるワケ
猫の背中には、背骨のラインに沿って多くの筋肉がついています。そして背骨の数も30個と人間よりも3個ほど多いため、背中が海老のように曲がりやすくなっています。加えて猫は関節も柔らかいために、自由自在に体を曲げることができるのです。
いかがですか。知っているようで知らない猫の体の仕組み。猫の方が人間よりも、筋肉の種類も骨の数も多いようです。
小さな体なのに、パーフェクトなボディ。しなやかに動き回る猫は、やっぱり素敵ですよね。