現在イギリスには1千万匹もの猫が暮らしているそうです。イギリスは世界でもっとも早く動物虐待を法律で禁止した国。アニマルポリス発祥の国としても有名です。
国民が動物好きとして知られるイギリス。日本とイギリスの違いは、猫を外に自由に出す放しがいが一般的だということ。少し前のことですが、イギリス人に聞いたところ、イギリスには「猫のトイレ」は売っていないとか。
「だって猫は外で自由におしっこしてくるから、トイレは必要ないよ。」と語っていてびっくりしました。
2013年、BBCテレビはイギリスのサリー州のシャムリーグリーン村に住む50匹の猫をボランティアで募集し、猫の首輪にGPS機能付きのテレビカメラをつけて、猫がどんな生活を送っているのか、今まで知らなかった猫の生体に迫る研究を行いました。
猫の姿を1週間に渡って追跡した結果、解明した猫の謎とは?一体どんなことがわかったのでしょうか。生命科学者、サラ・エリス博士と生物学者ジョン・ブラッドショー博士、アラン・ウィルソン博士の3人が年齢や大きさ、種類がバラバラになるように猫を50匹選びました。
対象となった猫の年齢は15歳、体重は4キロぐらい。全ての猫の首輪をつけて生態を調べたそうです。
■猫の行動範囲とは
3キロも歩き回るオス猫もいましたが、これは特別な例。ほとんどのオス猫は自宅から半径100メートル圏内を歩き回り、メス猫はその半分、50メートル圏内で過ごすことがわかりました。都心部の猫の方が移動距離は狭く、農村部で暮らす猫の方が移動距離が長いこともわかりました。
■猫は縄張りをこう守っていた!
50匹中14匹の猫にカメラを取り付け、猫が見ている世界を観察したところ、猫の視界は25センチ程度のところまでがよく見え、自分の身長の7倍の高さまでジャンプできることがわかりました。
そして猫は自分の縄張りを他の猫とかち合わないために「時間交代制」で守っていることがわかりました。例えば、隣の家の猫が夜外に出てパトロールしている時は室内で過ごし、その猫が室内にいる昼間にパトロールしてお互いにかち合わないように工夫し、縄張りを共有していたのです。
いかがですか。猫の謎。一番知りたかったのは「猫は家の外と中のどちらが好き?」ということ。この番組では、猫が外で過ごす時間は全体の5分の1程度。ほとんどの猫は室内で過ごす方が好きだということがわかりました。
完全室内飼いで暮らす猫。窓から外を眺める姿にかわいそう、と思う必要は無いようです。猫は自分の縄張りに他の猫がいないのが一番安心。完全室内でも充分幸せに暮らせるようですね。