「なぜ猫が人の膝の上で寝るのか」というごくシンプルな質問に対する答えがいまだ見つかっていないそうですが、現在は空前の猫ブーム。世界中の動物学者が猫についての研究を行い、猫についての新事実を発表しています。
犬の場合はオオカミの時代、およそ12000年前から25000年以上前に家畜化されたのに対し、猫は古代エジプト時代メソポタミアの頃からと考えると、まだたったの3000~4000年しか人と一緒に暮らしていません。
一説によると、猫は自ら人に近づいて「家畜化」を望んだ珍しい動物なのだとか。まだまだ猫について隠された謎は多そうですね。
今回は、猫好きさんでも意外に知らない、ごく最近わかった猫の「新事実」についてご紹介しましょう。
■日本の猫のルーツはアジアよりもヨーロッパの猫に近い
2008年、アメリカのカリフォルニア大学デービス校の研究チームが世界各地から集めた1万1000匹のイエネコのDNA解析を調べたところ、尾が短い日本の猫やペルシャ猫は、遺伝的にアジアや中東の猫よりもヨーロッパの猫に近い、ということが判明したそうです。
■猫は必要なエネルギーの半分はたんぱく質から摂取している
2011年、イギリスのウォルサム研究所などのチームが猫に栄養成分比率を変えたフードを食べさせる実験を行なったところ、猫は必要なエネルギーの半分をたんぱく質から摂取し、炭水化物からは10%程度しか摂取できないことがわかったそうです。
この研究で猫はベジタリアンにはなれないことが証明されました。手作りご飯をあげている人はちょっと参考にしてくださいね。
■老齢の猫にとって「高い音」は発作の原因に
2015年、イギリスの研究チームが10歳以上の高齢の猫に鍵の束のような「チャリチャリ」「カンカン」と言った高い金属音を聞かせると、痙攣などの発作を起こす恐れがあることを発表しました。
この症状はFARS(ネコ科動物聴覚原性反射発作)と名付けられ、世界中の猫に注意を促すように喚起されました。
■中国でベンガルヤマネコが家畜化
2016年、イギリスと中国の合同チームが中国で発見された紀元前3500年とされる猫の骨は、ベンガルヤマネコだったと公表しました。このことからベンガルヤマネコが中国で
家畜化されたいたと推定されています。
いかがですか。この4つの新事実。特にシニアの猫に「高い金属音」は危険、という新事実はよく覚えておいた方がいいでしょう。
まだまだ研究途上の猫。今後は猫の品種や毛色による性格の関連性や、うつ病などに対する「猫によるアニマルセラピー効果」の科学的検証などの研究が期待されています。
私たちに癒しと安らぎを与えてくれる猫ですが、もっともっと素晴らしい効能が隠されているのかも知れませんね。