毎日365日、猫が必ず行うこと。食事や排泄などの自然現象ではないのに、猫が必ず行う行動、それは「スリスリ」ではないでしょうか。
一体なぜ?と思うほど私がパソコンに向かっていると、毎回キーボードの上に乗って頭をゴチンゴチンとぶつける愛猫。スリスリと言っていいのか悩みますが、お気に入りの机の角にもやっていますから、これは彼なりのスリスリ行動なのでしょう。
猫がなぜスリスリするのか?動物学の本には
「自分の匂いをつけるマーキング行為」
だと書かれています。野生に暮らすネコならその理由だけかも知れませんが、現代のイエネコの場合はもっと複雑な気持ちが隠されているのかも。。。
今回は帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授の加隅良枝先生が唱える猫の「スリスリ」にまつわる豆知識をご紹介しましょう。
■猫の脇腹にも臭腺がある?
ねこ検定に余裕で合格したワタクシ。猫の臭腺のある場所といえば、
・顎
・頬
・耳の付け根
・肉球
・尻尾の付け根
・肛門
だったはず。しかし加隅良枝先生曰く、
「分泌量は微量ですが、猫は脇腹にも臭腺がある」
という説もあるそうです。そして猫のお腹の乳首の周辺にも臭腺はあるといいます。
これはねこ検定にも出てこなかった説です。知らなかった人も多いのではないでしょうか。
■おねだりの手段としてもスリスリする
大好きな飼い主さんに自分の匂いをつけてマーキング、という他に、猫は要求を叶えて欲しい時にもスリスリすることがあるそうです。
そういえば猫は大人になると、鳴き声で仲間とコミュニケーションは取りません。その代わり鼻をくっつけたり、体をこすり付けたりというスリスリをよくやります。
飼い主さんにもよくやるスリスリは、マーキングを兼ねた「遊んで」「おやつちょうだい」などのおねだりの意味もあるそうです。
■仲間同志の挨拶として
猫のスリスリは猫同士だけではありません。我が家の愛猫カイトと愛犬のぽんずは。毎朝短時間ながらスリスリを毎日交わしています。
同居猫にスリスリするのは親しみのある匂いを嗅いで安心したいからなのだとか。猫だけに限らず同居していれば同居犬にもしているそうです。
いかがですか。猫のスリスリにはいろんな気持ちが込められているようです。
ある飼い主さんはいつも猫がスリスリするところが黒く変色したと言っていました。それは猫の純粋な汚れ?それとも猫から何かが分泌されているのかも?
スリスリはマーキング行為ですから実際にやられた箇所には匂いや色などが付いているはず。でも猫はあまり匂いがしませんよね。猫の「スリスリ」は猫同士のみが本能的にわかるニオイなので、人間には嗅ぐのは無理なのだそうです。
いわば猫のスリスリはその猫の体臭のようなもの。愛猫の体臭がどんなニオイなのか、とても興味がありますよね。