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【最高の昼寝へ】「昼寝したら夜眠れない」ことを防ぐ方法とは?専門家が解説


昼寝を上手に取らないと、夜の睡眠の質に悪影響を与える可能性があります。ウォーリック大学の心理学者タラル・ムクタリアン氏は、「昼寝と睡眠障害の関係」を解説し、昼寝には落とし穴があることを警告しています。理想的な昼寝の時間は10〜20分で、午後早い時間帯に取るのが最適です。これにより、夜の健康的な睡眠リズムを維持しながら、昼間の疲労を効果的に癒すことができます。長すぎる昼寝は、夜の眠気を削り、精神的な不調のリスクを高める可能性があります。最適な昼寝を実現するために、環境整備も重要で、静かで暗い場所を選ぶと良いです。昼寝の効果は個人差があり、年齢やライフスタイルに応じた調整が必要です。

「昼寝したら夜眠れない……」そんな経験、誰もが一度はあるのではないでしょうか?

昼寝は気軽なリフレッシュ方法として定着していますが、その取り方を誤ると、かえって夜間の睡眠に悪影響を及ぼすことが研究により明らかになってきています。

イギリスのウォーリック大学(UoW)に所属する心理学者タラル・ムクタリアン氏は、「昼寝と睡眠障害の関係」について解説を行い、昼寝には落とし穴があることを警告しています。

では、どんな昼寝が最適なのでしょうか。

目次

  • 「昼寝したら夜眠れない」のはなぜ?
  • 「最高の昼寝」をするには?

「昼寝したら夜眠れない」のはなぜ?

昼寝は、短時間で頭をリセットできる優れた方法です。

ほとんどの人は、午後の早い時間帯(午後1時~午後4時)の間に、自然と覚醒度が低下します。

多くの研究が示すように、この時間帯の短い昼寝は集中力や注意力、気分の改善に効果的です。

眠気がなくなり、冴えた頭で作業に戻ることができるのです。

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「昼寝したら夜眠れなかった」という経験があるかも / Credit:Canva

しかし、それが1時間を超えるような長時間になると、話は変わってきます。

昼寝が長すぎると、目覚めた時の気分が昼寝する前よりも悪くなる可能性があるのです。

これは「睡眠慣性」と呼ばれる現象であり、深い眠りから急に覚醒することで、一時的に頭がぼーっとしたり、体がだるくなったりすることが分かっています。

米エモリー大学(Emory University)の2018年の研究では、深い眠りから目覚めると、その後最大1時間は体がだるく感じることがあると報告されています。

そして、そのように認知能力が低下したタイミングで機械を操作するような安全が求められる作業をしたり、重要な決定を下したりするなら、深刻なトラブルを招く恐れがあります。

また、昼寝の時間が長すぎたり、そのタイミングが遅すぎたりすると、私たちがよく実感しているように、夜になっても「眠れない」「寝つきが悪い」といった状態が起きやすくなります

このような睡眠リズムの乱れが続くと、慢性的な睡眠不足や昼夜逆転に繋がり、精神的な不調に発展するリスクも高まるとも考えられています。

では、どうすれば「昼寝したら夜眠れない」なんて事態を避けられるでしょうか。

「最高の昼寝」をするには?

昼寝によって夜に眠れなくなる事態を防ぐには、まず昼寝の長さを見直す必要があります。

ムクタリアン博士は、昼寝の理想的な長さは10〜20分程度だと述べています。

この時間内であれば脳は浅い睡眠状態にとどまり、夜間の眠気を損なうことなく、昼間の疲労を効果的に回復することができます。

30分を超えると、脳は深い睡眠段階に入りやすくなり、夜の眠気が抑えられてしまいます。

また、昼寝をとる時間帯も重要です。

人間の体内時計は、午後早い時間帯に自然な眠気の谷を迎えるようにできおり、理想的な時間は午後2時前です。

このタイミングで短い昼寝をすることが最も効果的であり、午後3時を過ぎてからの昼寝は、体の自然な睡眠スケジュールが遅らせる可能性があります。

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「最高の昼寝」に近づくには、時間、タイミング、環境が大切 / Credit:Canva

そして、「最高の昼寝」に近づけるためには、眠る環境も意識する必要があります。

たとえ短い昼寝であったとしても、夜間の睡眠環境と同じく、涼しく、暗く、静かな環境が適しています。

もし明るく騒がしい環境で昼寝しなければいけないなら、アイマスクやノイズキャンセリングヘッドホンなどを利用できるでしょう。

もちろん、すべての人にとって昼寝が同じレベルのメリットをもたらすとは限りません。

年齢やライフスタイル、睡眠パターンなどは昼寝がその人に役立つかどうかに大きく影響します。

基本的な要素を把握しつつ、「いつ」「どのように」「そもそも昼寝をすべきか」といった点を、自分に当てはめて知る必要があるのです。

例えば、筋肉の回復を早めなければいけないアスリートたちには十分な昼寝が必要かもしれません。

また集中力を必要とする医療従事者、航空乗務員などは、計画的な短い昼寝によって仕事上のミスを軽減できます。

実際、過去の研究では「26分間の昼寝によって、NASAのスタッフのパフォーマンスが34%、注意力が54%向上する」ことも示されています。

このように、昼寝とうまく付き合えば、仕事のパフォーマンスも心の健康も保ちやすくなります。

ぜひ、自分に合った時間やタイミングを探り、最適な昼寝習慣を見つけてみてください。

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参考文献

Can a daily nap do more harm than good? A sleep researcher explains
https://theconversation.com/can-a-daily-nap-do-more-harm-than-good-a-sleep-researcher-explains-251630

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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