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【身をよじる宙吊りロボット】CLONE社が人工筋肉でできた人型ロボットを公開


ロボット開発企業「Clone Robotics」が、人間の筋肉や骨の構造を再現した人型ロボット「Protoclone」を公開しました。「Protoclone」は人工筋肉を使用しており、その動きは人間に非常に近いです。クローン社は以前から、人工筋肉と29の自由度を持つ「クローンハンド」を開発していましたが、今回それを全身に応用しました。しかし、現在の「Protoclone」は独立して歩行できず、電源や制御装置に外部依存しているため、さらに技術開発が必要です。将来的には、AIと統合し、もっと自然な動きや表情を持つことが期待されています。このロボットが介護や家事で役立つ未来も想定されています。



ロボット開発企業「Clone Robotics」(以下、クローン社)は、彼らが開発した人型ロボット「Protoclone」の全身を公開しました。


Protocloneは、従来のロボットとは異なり、人間の筋肉や骨の構造を再現することを目的としています。


人工筋肉で動くこのロボットは、どこか不気味で、見る人に恐怖心を抱かせます。




目次



  • 人工筋肉を使用した「クローンハンド」技術の進展
  • クローンハンドから全身へ!宙吊りにされた人型ロボット「Protoclone」を公開

人工筋肉を使用した「クローンハンド」技術の進展


画像
人間のように物をつかめる / Credit:Clone(YouTube)_Anthropomorphic Clone Hand grasping different objects(2022)

クローン社は以前、「クローンハンド」と呼ばれるロボットの手を開発し、大きな注目を集めました。


このクローンハンドは、人間の指の動きを再現するために人工筋肉と人工腱を利用しており、薄いスキンをまとった姿は、人間の手とほとんど変わらないシルエットになっていました。


当時公開された動画には、そのクローンハンドが、まるで人間のように、様々な重さや形状の物体をつかむ様子が映し出されています。


この人間らしい動きの秘密はロボットハンドの自由度(手や足を動かせる方向)にあり、クローン社によると、「人間の手にある27の自由度すべてが含まれている」ようです。


このクローンハンドは、「リアルな人型ロボット」の登場に対して、私たちの期待を高めました。


クローン社が開発する「人間そっくりのロボットハンド」





そして2024年12月には、やはり人工筋肉と薄いスキンで構成された人型ロボットの上半身が公開されています。


確かにリアルですが、このロボットを見た人々の多くは、その外見に不気味さを感じました。


それから2カ月後、クローン社は新たな動画を公開しました。


それが、「クローンハンド」の技術を全身に応用した新型ロボット「Protoclone」です。


クローンハンドから全身へ!宙吊りにされた人型ロボット「Protoclone」を公開




2025年2月に公開された動画では、人型ロボット「Protoclone」が宙吊りにされています。


足をジタバタさせる様子は、どこか不気味で、私たちにさらなる恐怖心を植え付けます。


一見、動きが少ないように思えますが、足の細かな点に着目すると、足首や膝の動きは、やはり人間のそれに近いものだと分かります。


では、「Protoclone」はどのようにして、こうしたリアルな動きを再現したのでしょうか。


Protocloneでは、これまでの試作品と同じように、人工筋肉を利用することで、よりしなやかで自然な動きを可能にしています。


この人工筋肉は、圧力を利用した特殊な繊維で構成されており、人間の筋肉と同じように収縮と弛緩をすることで関節を動かします。


画像
全身が人工筋肉で構成される人型ロボット「Protoclone」 / Credit:Clone(YouTube)_Protoclone: Bipedal Musculoskeletal Android V1(2025)

さらに、骨の構造も再現されており、人間に近い骨格を実現しています。


将来的には、206本の人工骨を組み込む予定です。


さらに、このロボットには、最終的に視覚用の4つの深度カメラ、関節位置を認識する70個の慣性センサー、人工筋肉の力のフィードバックに使用する320個の圧力センサーが搭載される予定です。


それでも、実用化に向けてはいくつかの課題が残されています。


現在のProtocloneは、独立して歩行することができません。


電源や制御装置も外部に依存しており、完全な自律型ロボットとして動くにはさらなる技術開発が必要です。


また、より自然な動きを実現するには、AIとの統合が不可欠でしょう。


特に、人間の表情や動作を学習し、適切に反応する能力が求められます。


こうした課題をクリアすれば、人間にかなり近い人型ロボットになるはずです。


この不気味なロボットが、介護や家事、さらには労働の分野で活躍する未来もそう遠くはないかもしれません。



全ての画像を見る

参考文献

Clone Robotics releases eerie video of twitching, kicking humanoid robot
https://newatlas.com/robotics/clone-robotics-video-humanoid-robot/

Welcome to the Clone World
https://www.clonerobotics.com/

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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