瀕死状態の野良犬
ガリガリにやせ細り、鋭い目でこちらを見る野良犬。
この野良犬はメスの犬で、人間に接したことがないようでした。
警戒心から近寄れば、逃げてしまうという救出が困難な状況でした。
なんとか救出された野良犬は『ギリシャストレイ』という、動物愛護団体に保護されました。
アテネに住んでいるボランティアのValia Orfanidouさんと、動物愛護団体ギリシャストレイがこの瀕死の犬の治療に取り組みました。
この野良犬は、ペトラという名前を付けられました。
治療に取り組んでいるValiaさんは、
「ペトラは今まで人間と触れ合ったことがなく、ずっと彷徨っていたのだと思います」
と、言います。
自分の居場所を見つけられず、彷徨っていたペトラ。
全身を清潔にするためにシャンプーを施したり、ペトラの治療を続けました。
![](https://d5xa0xnxw4uiq.cloudfront.net/article/20161007120731-az3e5_427.jpg)
他の犬や人間が近づいた時、恐怖のあまり唸り声を出したり、容易にペトラに近づくことはできませんでした。
ペトラの警戒心はまだ取れていない様子でした。
それでもあきらめることなく、愛情をもってペトラを支え続けました。
Valiaさんの愛情は傷ついたペトラの心に届くのでしょうか。
諦めなければ気持ちは届く
ペトラの変化
Valiaさんが、ペトラに接近しようとしたはじめの頃は、ケージに入ることを拒んでいたのです。
しかし、2度目の時にはペトラは、ケージに近づき数メートル歩きました。
閉ざされた心は、少し開いてきたのです。
Valiaさんは愛情を示すかのごとく、自らの手から餌をあげたりもしました。
そうやって、愛情を伝え続けているとペトラに明らかな変化が現れました。
誰も近寄らせなかったペトラが尻尾を振って、他の犬と元気に遊んでいるのです。
![](https://d5xa0xnxw4uiq.cloudfront.net/article/20161007120916-3nort_427.jpg)
「ペトラは今では愛される準備ができています」
そうValiaさんも語ります。
他の人や犬に対しても警戒心がなくなったペトラ。
やせ細り化石のようにボロボロだった頃のペトラはもういません。
心を閉ざすことのないペトラは元気いっぱいな姿を見せてくれています。
ペトラを変えたのは、他でもありません。
「良くなって欲しい」という、愛情なのです。
人や他の犬を警戒することのないペトラは、どこにいっても愛される犬となったことでしょう^^