犬にとって舐めるという行為が意味するもの
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犬にとって舐めるという行為は、傷の治療や毛繕いなどの医療的意味と、あいさつや感情表現などの社会的行動の2つの意味があります。
しかも、舐める部位によって意味合いも異なります。
では早速、顔を舐める3つの理由について解説していきます。
社会的ランキングを示すため
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犬は上下関係を明確にする動物で、飼育されている環境にいるすべての人(飼い主さんとその家族)に順位をつけます。
犬同士ではもっとシビアで、多頭飼育をしている場合、共同生活している犬の間でどの犬が上位かはっきりしており、序列に従って生活することが求められます。
そのような環境で他の犬の顔を舐めるのは、舐めている犬が、舐められている犬のことを自分より上だと認めているという意味があるようです。
下の立場の犬が、敬意や従属の表れとして上位の犬の顔を舐めるのです。
その場合、姿勢を低くして近づき、顎の下の方から遠慮がちに舐めます。 そして舐められた上位の犬は、「おまえの表敬の念を受け入れた」とばかりに、優しく舐め返して、自分の立場と群れの平和を維持します。
世話のため
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母犬の顔を舐める子犬を見て、「甘えているのね〜」と思いがちですが、実はご飯の催促をしていることが多いです。
「おなかすいた〜、ご飯が食べたい」という意思、つまりはお世話をしてほしいことを、母犬の顔を舐めることによって伝えます。
それに応えて母犬は、母乳をあげたり、消化中の食べ物を吐き出して子犬の食欲を満たします。
また母犬は、グルーミングのために子犬を舐めます。 まだ小さくて自分で毛繕いができないので代わりにしてあげるのです。 顔だけでなく、全身を舐めて排泄をうながしたり、健康状態をチェックしたりする姿を見ると、母性の強さを感じます。
母犬でなくても世話好きな犬は、子犬が後輩犬としてきたら、一生懸命ペロペロしてお世話することもあります。
好きな気持ちを伝えるため
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相手の顔を舐めて、愛情表現をすることも多いです。
親子や兄弟、仲間など強い絆で結ばれている犬同士は、お互いを舐めまわして大事に思っていることを伝え合います。 この場合は、社会的ランキングを示す時とは違い、遠慮なくキスしているかのように舐めます。
また、散歩中に出会った初対面の犬の顔を舐める時は、もっとライトな愛情で「気が合いそうだから友達になろう」「一緒に遊ぼう」という感覚でペロっと舐めます。
愛犬が他の犬の顔を舐めているのを見たら、どの理由で行っているのかぜひ想像してみてください!