犬がお漏らしをするのには原因がある
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この記事で取り上げる「お漏らし」とは、きちんとトイレでオシッコできるようになっていたワンちゃんが突然、トイレ以外の所でオシッコをするようになったり、気づかずにオシッコを垂れ流すようになったり、寝ている間にお漏らしする場合のことをいいます。
犬を飼い始めると真っ先にトイレトレーニングをするので、トイレを覚えないまま成長するということはまずありません。そのため、突然愛犬がお漏らしをするようになると「一体どうして…?」と不安になってしまいます。
犬がお漏らしをするには、大きく分けると5つの原因が考えられます。お漏らしのも原因が分かれば、原因に合わせて対処しやすくなるでしょう。必要な場合には早く病院に連れて行ってあげるなどの処置もとりやすくなります。
1.精神的なもの
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「不安、恐怖、寂しさ、興奮、嬉しさ」といった、精神状態が原因でお漏らしをすることがあります。犬はとてもデリケートな生き物なので、環境の変化があると特に精神的なダメージを受けます。
例えば、引っ越したり、家族構成が変わったり、他の動物が来たり、留守番の時間が増えたりすると、自分に注意を向けて欲しくてわざとお漏らしすることがあります。寂しさやストレスから精神のバランスを崩して失禁してしまうようです。
また、雷や嵐、花火や近所の工事の音などにびっくりした時や、大好きな飼い主さんに叱られたりした時も恐怖心からお漏らしすることがあります。
そのような時は、いつも以上にかまってあげたり、スキンシップを多めにとったりして、不安や孤独感を軽減してあげるようにしましょう。精神的なことが原因のお漏らしは一時的なものが多く、感情的に満たしてあげたり、落ち着かせてあげれば自然とお漏らしもしなくなります。
さらに、興奮したり嬉しい時にお漏らしをしてしまう「ウレション」もあります。ウレションは子犬や小型犬に多く見られます。
例えば、飼い主さんが帰宅した時や、遊んでもらって嬉しい時にお漏らしてしまうことがあります。また、家にお客さんが来てはしゃいでしまったり、遊びに夢中になりすぎて、オシッコを飛び散らしている時もあります。このように犬が興奮している時は無視したり、クレートに入れたりして、犬を落ち着かせる訓練をしましょう。
2.老化によるもの
人間と同じで、犬も高齢になると膀胱や尿道の筋肉が衰えて、尿漏れや失禁をするようになります。また、認知症になると脳機能も低下し、筋肉に上手に指令を出せなくなるので余計お漏らしするようになるかもしれません。
老化現象の一つで避けられないことなので、トイレを近くに置いたり、数を増やしたり、必要ならオムツをするなど優しく介護してあげるようにしてください。
3.多飲によるもの
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水分をたくさんとればそれだけオシッコが出る量も増えます。いつも以上にお水を飲んだ時にお漏らしをするなら、多飲が原因かもしれません。
しかし、お漏らしするからといって、お水を飲ませないようにすることは絶対にやめてください。脱水症状になると大変ですし、お水をたくさん飲むこと自体に病的要因がある可能性もあります。多飲してお漏らしすることが続くようなら、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
4.先天性によるもの
左右の腎臓から出ている尿管が、生まれつき膀胱以外のところにつながっている「異所性尿管」が原因で、お漏らしすることもあります。これは大型犬に多いといわれています。「異所性尿管」の場合、膀胱に尿をうまくためられなかったり、排尿のタイミングがはかれずに漏らしてしまいます。
5.病気やケガによるもの
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「尿路結石」「腎盂腎炎」「子宮蓄膿症」「間質性腎炎」「尿崩症」など、何らかの病気が原因で頻尿になったり、排尿時に痛みを感じてうまくオシッコができなくなったりすることがあります。オシッコの色がいつもより濃かったり、オシッコの中に何かキラキラしているものが見えるなどの症状があるなら、尿を採取して動物病院に持っていき検査してもらいましょう。
さらに、避妊手術をしたメス犬が数年後に、ホルモン低下や交感神経の異常を起こして、お漏らしすることがあります。これを「ホルモン反応性尿失禁」といいます。特に、2回目の生理がくるまでに手術した中型犬や大型犬によく見られる症状です。
他にも、胴長の犬に多い「椎間板ヘルニア」も、ヘルニアが起きる場所によっては膀胱などの神経が圧迫され、尿もれを起こすことがあります。ヘルニアなど歩行困難の病気になると、トイレに間に合わなくなって失禁してしまうことが多くなります。
また、ケガなどで歩いたり階段を上り下りするのが難しくなった場合、今まではひとりで行けていたトイレに行けなくなることもあります。その場合は、トイレの場所を変えたり、シートを大きくしてあげたりして、お漏らししないで済むように工夫してあげてください。
犬がお漏らしするようになったら、叱るのではなく、よく観察して原因を見極め、獣医師の意見も聞きながら適切な対処をしてあげましょう。