はじめに
猫を飼育していると気になるのが多頭飼いについてです。猫は基本的にマイペースで、ひとりでいることを好むとされているので、多頭飼いによってケンカなどの問題が生じたら困ってしまいます。猫たちができるだけストレスを感じないように生活してほしいというのが飼い主の願いでもあります。
多頭飼いに向いているかどうかは猫種やその個体の性格にもよりますが、今回はスコティッシュフォールドの場合はどうなのかについて解説したいと思います。また、多頭飼いをする上での注意点などについても解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
スコティッシュフォールドってどんな猫?
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折れた耳が特徴のスコティッシュフォールドは、その可愛らしさから人気猫種として多くの人に飼われています。可愛い猫と暮らしているうちに、「もう一匹欲しいな~」と思う飼い主さんも多くいることでしょう。猫によって多頭飼いの向き不向きがありますが、スコティッシュフォールドの場合はどうなのでしょうか?
まずはスコティッシュフォールドの特徴や性格について調べてみましょう。そうすれば多頭飼いに向いているかどうかを知ることができるでしょう。
スコティッシュフォールドの特徴
スコティッシュフォールドの最大の特徴は前方に折れ曲がった耳です。スコットランドの農場で発見されたスージーという猫の耳が突然変異で折れ曲がっていたことから、スコティッシュフォールドの歴史は始まりました。1960年代のことだったので猫種としての歴史はそれほど古くないことが分ります。スージーが生んだ子猫たちも耳が折れていたため、計画的に繁殖されるようになりました。
折れ耳が特徴のスコティッシュフォールドですが、立ち耳のスコティッシュフォールドも半数以上存在します。そして、折れ耳の個体も耳の折れ方によってシングルフォールド、ダブルフォールド、トリプルフォールドと呼び方が分れています。耳の折れている個体は人気があり高額で取引されますが、耳の疾患や遺伝性疾患にかかりやすいのでケアや注意が必要です。
垂れ耳でも立ち耳でも、スコティッシュフォールドのまん丸でぽっちゃりした顔やまん丸の大きな目は非常に魅力的です。柔らかくて手触りのいいフサフサの被毛を持っているのもスコティッシュフォールドの特徴です。短毛種と長毛種がいますが、長毛種はレアだとされています。
またスコティッシュフォールドは、「スコ座り」と呼ばれる独特の座り方をすることでも知られています。後ろ足を前に投げ出して人間のようにちょこんと座ります。
見た目はとてもかわいらしくて笑ってしまいますが、実はスコティッシュフォールドは「先天性骨形成異常症」とも呼ばれる遺伝性疾患にかかりやすく、遺伝的に骨や関節に障害を持って生まれてくることが多いため、痛みを少しでも和らげるため本能的にこのようなユニークな座り方をすると言われています。
そのため、遺伝性疾患のことを考えると安易に繁殖をするべきでないとの意見もあります。
スコティッシュフォールドの性格
スコティッシュフォールドは基本的におっとりとしていて、おとなしい猫種です。滅多に鳴くこともなく、運動量も多くないので集合住宅地でも安心して飼うことができます。人懐っこくて飼い主のそばにいるのが大好きです。人見知りをすることもないので、家族みんなと仲良くすることができます。
運動量は多くありませんが遊びは好きです。ですからオモチャや猫のサイズに合ったキャットタワーを用意するといいでしょう。運動不足による肥満防止にもなりますよ。
寂しがり屋なところがあるので留守番が多いとストレスを感じることがあるようです。猫なのに犬のような性格ですね。猫とたくさんコミュニケーションがとりたいという人にピッタリです。
オスとメスではそれほど性格に差があるわけではありませんが、オスのほうが若干ヤンチャで甘えん坊なところがあるようです。メスのほうが少しクールで落ち着いています。初めて猫を飼う場合でもおすすめできる猫種です。
スコティッシュフォールドは多頭飼いに向いているのか
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スコティッシュフォールドの特徴や性格を見る限り、多頭飼いも問題はないということができます。穏やかな性格をしているので他のペットとケンカすることも少ないようです。見知らぬ人にもすり寄っていくようなフレンドリーさもあるので、他のペットとも仲良しになるでしょう。留守番があまり得意ではなく、寂しくてストレスになるくらいですから、仲間がいると喜ぶかもしれませんね。
しかし先ほど述べたように、遺伝性疾患にかかりやすいのが特徴でもあります。もしも病気がちになると飼育の際の出費が多くなることでしょう。多頭飼いをすると飼い主さんのお財布にダメージを与える可能性があります。経済的に余裕があるかどうかも多頭飼いをするかどうかを決める際のバロメーターにしましょう。
スコティッシュフォールドは多頭飼いにも適している猫種ですが、多頭飼いができるかどうかは飼い主さんの方にきちんとお世話をする余裕があるかどうかによって決まるということを覚えておきましょう。
スコティッシュフォールドを多頭飼いする場合
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スコティッシュフォールドは多頭飼いにも適している猫種ですが、相手によっては難しい場合もあります。組み合わせごとに考えてみましょう。
スコティッシュフォールド同士の場合
穏やかでおとなしいスコティッシュフォールド同士は多頭飼いに最も適しています。似た者同士なのでケンカをすることもなく、仲良くなりやすい組み合わせです。
しかし、オスとメスを多頭飼いする際は注意が必要です。遺伝性疾患にかかりやすい猫種でもあるのでスコティッシュフォールド同士を掛け合わせることはNGだとされています。そのため、オス同士またはメス同士で多頭飼いをすれば問題なく飼育することができるでしょう。
穏やかで人懐っこいスコティッシュフォールドに癒されること間違いありませんね。
スコティッシュフォールドが先住猫の場合
先住猫がスコティッシュフォールドの場合も比較的多頭飼いがしやすいと言われています。穏やかでフレンドリーな性格なので新入り猫に対して攻撃的になることもありません。しかし、甘えん坊で寂しがり屋な性格なので、新入り猫に構いすぎて嫉妬させないようにしましょう。攻撃的になることはなくても、ストレスになって病気になってしまうかもしれません。
先住猫のスコティッシュフォールドにいつも以上の注意を向けるようにしましょう。飼い主さんの愛情をしっかりと感じることができれば嫉妬することはありません。新入り猫を迎え入れて仲良くなってくれるといいですね。
スコティッシュフォールドが新入り猫の場合
先住猫が別の猫種でスコティッシュフォールドが新入り猫の場合は注意が必要です。先住猫の性格次第でうまくいくこともいかないこともあります。新入りのスコティッシュフォールドはフレンドリーで仲良くしたがるでしょうが、先住猫が受け入れてくれないとケンカの原因になる可能性があります。
子猫同士の組み合わせの場合はそれほど神経質になる必要はありませんが、先住猫が成猫だったり老猫だったりするとうまくいかない可能性が高くなります。相性がよくないとケンカばかりするようになるので、多頭飼いをする前に先住猫の性格を考慮するようにしましょう。どうしてもうまくいかない場合は別々の部屋で飼う必要があります。
垂れた耳が特徴的の「スコティッシュフォールド」。まん丸とした顔と目がかわいらしいと人気を集めていますが、実は立ち耳のスコティッシュフォールドもいるってご存知でしたか?そこで今回は、垂れ耳・立ち耳それぞれの特徴を紹介すると共に、飼う上でのメリット・デメリットについても解説したいと思います。
https://mofmo.jp/article/20272