猫の悩みは抜け毛
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現在ペットの人気ランキングでは、猫が犬を抜いて1位になっています。猫好きにはたまらない、うれしいニュースですね。毎日散歩に連れて行く必要がなく、猫はマイペースで犬ほど気を使わなくてもいいので忙しい人でも飼いやすいですよね。
ただ猫の飼育で多くの飼い主を悩ませているのが抜け毛問題です。
抜け毛が多いと掃除が大変だったりアレルギーが心配だったりしますよね。今回は抜け毛が少ない猫の種類を紹介します。抜け毛が少ない猫のメリットや抜け毛対策についても解説するので、猫ブームに乗って猫を飼ってみたいと思っている人がいたら参考にしてくださいね。
猫の被毛と抜け毛の問題
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多くの猫の飼い主を悩ますのが猫の抜け毛です。抜け毛には猫の被毛の種類も関係しています。猫には短毛種と長毛種がいますが、抜け毛とどのような関係があるのか調べてみましょう。また、抜け毛が少ない猫のメリットや猫の抜け毛を減らすために飼い主ができることについても解説します。
長毛種と短毛種
猫の被毛の長さによって長毛種と短毛種に分けることができます。短毛種は毛の短い猫のことですが、一般的に長毛種に比べて抜け毛が少ないと言われています。抜け毛が全くないわけではなく、抜け毛が短いため長毛種の抜け毛に比べてそれほど気になる量ではありません。
長毛種は毛が長い猫のことですが、抜け毛の一本一本が長いのでどうしても気になってしまいます。長毛種はさわるとフワフワで気持ちいいですよね。ケアをしっかりしてあげないと毛玉になりやすいので注意が必要です。また毛を飲み込んで毛玉症になりやすいので、毎日1回~2回のブラッシングが必須です。
短毛種は週に1回ほどのブラッシングで十分なのでケアが楽ですし、長毛種に比べると抜け毛が少ないとされています。もちろんどちらも換毛期になると抜け毛が多くなるのでいつも以上にブラッシングをするなど対策をとる必要があります。
抜け毛が少ない猫のメリット
猫の抜け毛は思っていたよりも多いと感じることがあるでしょう。猫は家の中を自由に行動するので抜け毛があちらこちらに落ちていて掃除が大変です。放っておくのも衛生上よくありませんから黙々と掃除をすることになります。換毛期になると抜け毛はさらにひどくなり、部屋中に猫の抜け毛が散らかります。洋服にもくっつくので飼い主や家族は困ってしまいます。
その点、抜け毛が少ない猫は普段の掃除の頻度もそれほど多くなくて済むので飼いやすいと言えます。シングルコートで換毛期がない品種だとさらに飼いやすいでしょう。ブラッシングなどの頻度も少なく済みますし、毎日の掃除で猫の抜け毛にイライラすることもありません。
猫の抜け毛が多くて心配なのが猫アレルギーです。猫アレルギーの治療は基本的にないので、上手に付き合うしかありません。鼻水やくしゃみがひどくなると普段の生活に支障が出るのでどうにかしたいと思うことでしょう。抜け毛が少ない猫だとアレルギー持ちの人でも飼育できることがあるのでメリットになります。
今のところ誰も猫アレルギーになっていないからと言って安心だとは限りません。子どもが生まれて家族が増えたり、両親と同居することになったりするなど、生活が変化する状況も生じえます。その時に誰かが猫アレルギーを発症させてしまうと困りものです。毛が少ない猫だと、アレルギーのリスクが減るので安心です。
抜け毛を減らすためにできること
長毛種だけでなく短毛種でも抜け毛はあります。どちらも日々の被毛のケアをすることによって抜け毛を減らすことができます。長毛種の場合は少なくとも毎日1回はブラッシングをするようにしましょう。短毛種の場合は週に1回程度で構いません。
ファーミネーターのような抜け毛をごっそりと取ることができるアイテムを活用することもできるでしょう。長毛用と短毛用、猫の大きさに合わせてそれぞれの猫にピッタリのものを選びましょう。ブラッシングは猫が嫌がらないように慎重に行うことが大切です。痛い思いをさせるとブラッシングをさせてくれなくなります。
換毛期などあまりにも抜け毛がひどい時には、最終手段としてシャンプーをすることができます。ただし水に濡れるのを極端に嫌がる猫もいるので注意が必要です。無理矢理シャンプーをすると引っ掻かれたり噛みつかれたりして怪我をする場合があります。シャンプーが難しいという場合は濡れタオルで優しく拭いてあげましょう。毛がごっそりと抜けますよ。
空中に舞い上がる猫の抜け毛の対策として空気清浄機を使う人もいます。脱臭効果もあるのでおすすめですよ。ペットの抜け毛だけでなく、ハウスダストも吸い取ってくれるのでアレルギー対策にも効果があります。
抜け毛が少ない猫の種類
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抜け毛対策をすることは大切ですが、抜け毛が少ない種類の猫だとケアが楽でいいですよね。抜け毛が少ないとされている猫の種類を紹介しますね。これから猫の飼育を考えている人はぜひ参考にしてください。
スフィンクス
スフィンクスの歴史は1966年にカナダで発見されたプルーンと呼ばれる無毛の猫から始まりました。結局プルーンの子孫は絶滅してしまいますが、1970年代にカナダやアメリカで発見された無毛猫をアメリカンショートヘアやデボンレックスと交配させて現在のスフィンクスが作出されました。スフィンクスの無毛は劣性遺伝が原因だとされています。
無毛とはいえ桃のような産毛がうっすらと生えています。抜け毛の心配をすることなく飼育することができる猫種ですね。無毛種なので被毛の手入れは必要ありませんが、皮膚のケアは必要です。夏は直射日光にあたらないように注意し、冬は防寒対策をする必要があります。
猫というよりは犬に近い性格だと言われることがあります。人見知りをすることが極めて少なく、人懐っこい猫です。抜け毛が気になるという人は思い切ってスフィンクスを飼育してみるのはいかがでしょうか?
ドンスコイ
ドンスコイは1987年にロシアで発見された無毛の猫種です。少年たちにいじめられ残酷に扱われていたところをエレーナ・コバレワという女性に助けられました。バルバラと名付けられ育てられると、子猫を産みましたが、それらの子猫たちのなかにも無毛の子がおり、毛の生えていた子猫たちも成長に伴って毛が抜け落ちてしまいました。
体が丈夫ではなかったこともあり、病気が疑われ処分が検討されましたが、これらの子猫たちの外観に注目したブリーダーのイリーナ・ネミキナという女性が引き取ることにしました。その後、新しい猫種として公認されるようになりました。ドンスフィンクスとも呼ばれています。
ドンスコイの無毛はスフィンクスの劣性遺伝とは違い優性遺伝によるものです。産まれた時から無毛のタイプと、最初は毛が生えていても成長して毛が抜け落ちるタイプ、そして体の一部に毛が生えているタイプがいます。いずれにしても抜け毛は極めて少ない猫種です。明るくて人懐っこく、犬のように依存心が強い性格を持っています。
ピーターボールド
ピーターボールドは1994年にオルガ・マロノワという研究者がドンスコイとオリエンタルショートヘアを実験的に交配させたことで産まれた新しい猫種です。エレガントなスタイルで人気を集めていますが、被毛は無毛の個体から毛の生えている個体まで様々です。無毛のタイプであれば抜け毛の心配をせずに飼育することができます。
先に挙げた2種類の無毛タイプの猫種と同様に、ピーターボールドも人懐っこくて飼い主に依存心のある性格を持っています。社交的で犬のような性格でもあります。活発で遊ぶのが好きですが、無毛または被毛が薄い猫種なのでケガには気を付けなければなりません。また肌のケアには十分に注意して、直射日光や寒さに気を付ける必要があります。