いつも市販のドッグフードを与えている飼い主さんも多いでしょう。市販のドッグフードによって基本的な栄養を与えることが出来ていたとしても、ワンちゃんの健康を考えておやつに栄養豊かなフルーツを与えている方もいるでしょう。
日々の食事でワンちゃんの病気を予防することが出来るなら、そうした効果のある食材を選ぶのではないでしょうか?
クランベリーはワンちゃんの健康維持に役立つ
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クランベリーはワンちゃんの健康維持に役立つフルーツです。特に尿路結石や膀胱炎予防に効果的だと言われています。
日本ではお菓子などでよく見かけることが多いでしょう。なかなか日本で生のクランベリーを見かけることは少ないかもしれませんが、ワンちゃんの日々の体調管理に役立つのです。
クランベリーとは
クランベリーとは1.5㎝程の楕円形の果物です。表皮は鮮やかな赤色や少し黒みがかった赤色をしたものが多いです。
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、北アメリカやカナダなどでは比較的身近なフルーツだそうです。主な産地もそれらの地域で、ユーラシア大陸から北アメリカ大陸にかけての寒帯域で栽培されています。
日本ではアメリカから生のまま輸入されていますし、冷凍品やドライフルーツとしてカナダからも輸入されています。生のままだと強い酸味とエグミがあるので、加工食が一般的です。ドライフルーツや、ジャム、お菓子や料理ソースなどに用いられています。
クランベリーを日本でそのままワンちゃんに与えている人は少ないでしょうが、その栄養価からサプリメントなどに含まれていることはあるようです。
クランベリーに含まれている成分
これからクランベリーに含まれている成分とその働きをいくつかご紹介しますね。
プロアントシアニジン(ポリフェノール)
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クランベリーにはポリフェノールの一種である「プロアントシアニジン」が含まれています。このプロアントシアニジンは身体に有効な活性酸素抑制効果があることが知られています。この効果によって血液をサラサラにしてくれます。動脈硬化の原因を抑制する働きもあるとされています。
プロアントシアニジンには抗菌、抗酸化、抗ウィルス作用などがあります。これらの作用により細菌の増殖が抑制され、尿路に細菌が付着することを防いでくれるのです。
キナ酸
クランベリーには有機酸の一種であるキナ酸が多く含まれています。このキナ酸が体内に吸収されると馬尿酸に変化します。この馬尿酸は排出される尿を酸性にしてくれます。
酸性になった尿の中では細菌が増殖しづらく、結果として膀胱炎や尿道炎、尿路感染症を予防してくれます。
ペクチン
食物繊維であるペクチンもクランベリーにはたくさん含まれています。下痢や便秘などを改善する整腸作用を期待できます。またコレステロールの排出を促進してくれるので、悪玉コレステロール低下を期待できるでしょう。
ビタミンC
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クランベリーにはビタミンCも含まれています。ワンちゃんは体内でビタミンCを生成することができますが、成長期や繁殖期には不足しがちですので、食事で取り入れることもおすすめです。水溶性ビタミンですので多く摂取しても悪影響は与えづらいとされています。
ビタミンCは特に抗酸化作用が認められており、シニア犬やたくさん運動するワンちゃんにはおすすめの成分です。
ビタミンE
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ポリフェノールと共に抗酸化作用のあるビタミンEも含まれています。アンチエイジングを意識しているワンちゃんにはおすすめです。
クランベリーの効果ってどんなものがあるの?
クランベリーに含まれている栄養をお伝えすることが出来ました。これから、それらの栄養素によって特にどんな効果を期待できるかをご紹介します。
尿を酸性にし、細菌の増殖を抑えてくれる
尿がアルカリ性に傾くと細菌が繁殖しやすくなります。
キナ酸が体内で馬尿酸に変化することにより尿を弱酸性へと変化させ、その状態を保ってくれます。そしてプロアントシアニジンの抗菌、抗ウィルス効果によって細菌が増殖することや付着することを防いでくれるのです。
膀胱炎や尿道結石(ストルバイト結石)の予防になる
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上記の尿を酸性に傾け細菌の増殖を抑える効果により、膀胱炎と尿道結石の予防することができます。膀胱炎や尿道結石は一度発症すると再発する傾向がありますので、そのようなときにはクランベリーを摂取すると良いかもしれません。
ちなみに、クランベリーが有効的な尿道結石はストルバイト結石と呼ばれるマグネシウムからできる尿道結石です。