安いドッグフードが安い理由
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ドッグフードを選ぶときに、できるだけ安いもの、またはコスパが良いものを購入したいというのが飼い主の本音でしょう。犬の飼育の費用の大きな割合を占めるドッグフードですから、できるだけ安く抑えたいものです。しかし安いドッグフードは財布には優しくても、愛犬には優しくない場合が多いということを忘れてはなりません。安いドッグフードには安いなりの理由があるからです。
愛犬も大切な家族の一員です。家計のことを考えると、できるだけ安いドッグフードを選びたい気持ちになりますが、値段だけで決めないようにしましょう。今回は安いドッグフードについて調べてみました。安いドッグフードはなぜ安いのかについて説明し、安いけれども愛犬に優しいオススメのドッグフードを紹介します。
穀類によるかさ増しをしている
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安いドッグフードに使用されているメイン原料は穀類です。肉や魚に比べると安く購入できますし、加工も簡単なのでドッグフードのコストダウンとしてかさ増しに良く使用されます。安いドッグフードの原材料名のなかに「小麦」、「トウモロコシ」、「大豆」などと記載されていることに気づくでしょう。
穀類を大量に使うことによってドッグフードのタンパク質の量を上げることができます。しかし愛犬が必要としているのは動物性タンパク質です。もともと肉食動物なので、お肉の消化は得意ですが、穀類は消化によくありません。さらにアレルギーも起こしやすいため、下痢や嘔吐、皮膚疾患などの原因になる場合もあります。穀類は腸内の掃除をする効果がありますが、それは少量の場合で、かさ増しによって大量に使用されている場合は愛犬にとっては優しくありません。
穀類によってかさ増しされたドッグフードは肉類が減らされているので、愛犬が必要としている動物性タンパク質を満たすことができません。必要とする栄養やカロリーが不足しているので愛犬に悪影響を及ぼし、健康を害する可能性もあります。
人間が食べることも可能な「ヒューマングレード」のドッグフードには必ずと言っていいほど「グルテンフリー」、つまり穀類不使用と記載されています。肉や魚を多く含むため、愛犬にとっては最高のドッグフードになりますが、その分値段が高くなってしまいます。
消化に悪く、アレルギーになるリスクも高い穀類でかさ増しされたドッグフードを与えているということを考えると、安いからと言ってドッグフードを選ぶのは大変危険であることがわかります。
質の悪い原材料を使用している
安いドッグフードはコストを抑えるために原材料の質を落としている場合があります。メイン原料が肉類になっていても、原材料名には「チキンミール」、「チキンエキスパウダー」、「ササミパウダー」、「ビーフパウダー」などと記載されていることから分かります。
これらは人間が食べることのできないような部位を使用したり、ひどい場合には4Dミートを使用している場合もあります。人間が食べることのできない部位とは、食品加工の段階での廃棄部位である皮や腱、内臓、血管、毛、足、爪、鶏のトサカやクチバシなどです。
また4Dミートとは「Dead(死んだ動物の肉)」、「Deseased(病気にかかった動物の肉)」、「Dying(死にかけの動物の肉)」、「Desabled(障害のある動物の肉)」のことです。これらがレンダリング工場で「肉骨粉」となり、ドッグフードに使用されています。最悪の場合は首輪や鑑札までもがごちゃまぜに処理されることがあるとか…。
メイン原料が肉類であっても、このような低品質の肉を使用していては愛犬の体に良いわけがありません。人間が食べることができないほど危険なものなので、これらの材料が使用されているドッグフードを与え続けていると、いずれは愛犬が病気になってしまう可能性が非常に高くなります。
良質のドッグフードは「肉類」、「○○ミール」など表記があいまいではなく、「チキン」、「ラム」、「サーモン」など何の肉や魚が使用されているのかがはっきりしています。これらの生肉が使用されているヒューマングレードのドッグフードは栄養価も高く、愛犬が必要とする動物性タンパク質を多く含んでいます。
人口添加物が使用されている
安いドッグフードは賞味期限を長くするため、また見た目を美味しそうにするためなどの理由で人口添加物を使用しています。また食いつきがよくなるように香料や調味料が使用されます。これらの添加物は愛犬にとって害になるものばかりです。見た目を良くするために用いられている合成着色料は発ガン性、染色体異常、けいれん、アレルギーなどを引き起こすリスクを上げると言われています。
酸化防止剤(BHA、BHT、エトキシキン、ソルビン酸カリウムなど)は愛犬の体に悪影響になりますし、着色料や香料も石油から作られるものが多く、愛犬にとっては害になります。
自社で入れたものでない添加物は表示義務がない(キャリーオーバー)ので、表示されていなければ添加物が入っていないというわけではないことも知っておきましょう。安いドッグフードにはたっぷりと添加物が入っているものです。ドッグフードの品質保持に、ミックストコフェロール(ビタミンE)やビタミンCなどの天然の酸化防止剤が使用されていれば大丈夫です。
安いドッグフードが愛犬に及ぼす影響
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危険信号ともなる症状
安いドッグフードには添加物がたくさん入っているため、愛犬の体に少しづつ悪影響を及ぼすようになってしまいます。
例えば
- 時々黄色い胃液を吐くようになった
- 毛色が変化している
- 指と指の間や手を良く舐めるようになった
- 体や耳をかゆがるようになった
- 下痢や嘔吐が頻繁に起こる
- 目ヤニが多くなった
- 涙やけがひどい
- 毛のツヤがなくなった
- フケが出るようになった
- 脱毛するようになった
- 肥満
- 痩せ過ぎ
- 原因不明の発病
- 病気の慢性化
などもあります。これらは安いドッグフードに含まれている添加物が愛犬に与えている影響である可能性が高い症状です。
よく観察して愛犬の様子をチェックしてみてください。これらの症状が病気へとつながる可能性も非常に高いからです。
危険なペットフードによってかかるかもしれない病気
添加物がたっぷり入っている安いドッグフードを食べさせ続けることにより、危険信号ともなる症状、さらには病気にかかってしまうことがあります。
例えば
- アレルギー性皮膚炎
- 股関節形成不全などの骨の異常
- 若い年齢で発症する白内障
- ガン、腫瘍
- 心臓病
- 泌尿器系の疾患
- 肥満
- 下痢(慢性、急性)
- 耳の病気(外耳炎、中耳炎など)
- 糖尿病
などが挙げられます。
また安くて危険なドッグフードは肝臓や腎臓にも悪影響を与え、甲状腺機能に障害をもたらす可能性もあります。毎日の食事が原因でこれらの病気にかかってしまうと、薬で完治させることが難しくなる場合があります。
安い国産のドッグフードの原料をチェックする
実際にどのような原料が使われているのか、国産の安くて有名なドッグフードをチェックしてみました。
「愛犬元気」
スーパーやホームセンターで見かけることが多い人気の国産格安ドッグフードです。「全成長段階用ビーフ・緑黄色野菜・小魚入り」と謳われていますが、原材料名のなかには気になるものも入っています。
記載されている原材料名は次の通りです。「穀類(トウモロコシ、小麦粉、コーングルテンミール、フスマ、パン粉、コーングルテンフィード等)、肉類(チキンミール、チキンエキス、ビーフパウダー、ササミパウダー等)、動物性油脂、豆類(脱脂大豆、大豆エキス)、野菜類(ビートパルプ、ニンジンパウダー、カボチャパウダー、ホウレンソウパウダー)、魚介類(フィッシュミール、乾燥小魚)、ビール酵母、チーズパウダー、
ミネラル類(カルシウム、塩素、コバルト、銅、鉄、ヨウ素、カリウム、マンガン、ナトリウム、リン、亜鉛)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、着色料(赤色102号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号)」です。
メイン原料が穀類であることに気が付くでしょう。しかも「トウモロコシ」や「小麦」などのアレルギーを起こしやすいといわれる原料が使われています。これらのたくさんの穀類は愛犬の消化に悪く、いわゆる「かさ増し」されたドッグフードであることがわかります。
さらに使用されている肉類は「ミール」、「エキス」、「パウダー」など肉を加工したものばかりです。どこの部位が使用されているのかは全くわかりません。値段が安いことを考えると、何らかの理由でコストダウンされていることは明らかです。人が食べることのできないような部位や廃棄する肉が使用されている可能性も高いといえるでしょう。
「動物性油脂」という記載がありますが、これも非常にあいまいで、何の動物が使われているのかがわかりません。死んだ動物から取られた油である可能性すらあります。「豆類」が使用されていますが、これらは食べても問題はありませんが、大豆アレルギーを持つ犬もいるので、与える際は様子を見る必要があります。
「ミネラル類」、「ビタミン類」がたくさん使用されています。これらの添加物は原料の栄養価を補うためにたくさん使用されていると考えることができます。また「着色料」も使用されていますが、色を見分けることのできない犬のためではなく、見た目をよくして人間の購買意欲を掻き立てるために使用しているものです。愛犬に与え続けると悪影響を与える原料だということが言えます。
ビタワンコンボ
ビタワンコンボ(角切りビーフ・野菜ブレンド)もよく見かけるドッグフードで、格安で購入できるものです。
記載されている原材料名は次の通りです。「穀類(トウモロコシ、小麦粉、脱脂米糖、コーングルテンフィード)、角切りビーフジャーキー、肉類(チキンミール、牛肉粉、チキンレバーパウダー)、豆類(脱脂大豆、脱脂粉末)、油脂類(動物性油脂、γ-リノレン酸)、魚介類(小魚調整品、小魚粉末)、ビール酵母、野菜類(キャベツ、大麦若葉、カボチャ、トマト、ニンジン、ブロッコリー、ホウレンソウ、モロヘイヤ)、オリゴ糖、カゼインホスホペプチド、プロピレングリコール、
ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、コバルト)、リンゴ酸、保存料(ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム)、ビタミン類(A、B2、B6、B12、D、E、パントテン酸、コリン)、着色料(二酸化チタン、食用赤色102号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)、グルコサミン、アミノ酸類(アルギニン、メチオニン)、コンドロイチン」です。
「愛犬元気」と同様、穀類がメイン原料になっており、さらにアレルギーを起こしやすいトウモロコシや小麦粉が使用されていることがわかります。また肉類には「ミール」や「パウダー」など不安なものが使用されています。アレルギーの犬も多い大豆、あいまいな動物性油脂、たくさんの添加物、購買意欲を掻き立てるだけの着色料が使用されていることも分かります。
さらに保存料で使用されている「ソルビン酸カリウム」ですが、これは発ガン性、免疫障害を引き起こす可能性があるとして最近では使用されることが少なくなっています。また「デヒドロ酢酸ナトリウム」は毒性が強いとされ、海外では使用禁止されている物質です。
安いけれど愛犬に優しいオススメのドッグフード
カークランド
コストコのオリジナルブランドであるカークランドシグネチャーが販売しているドッグフードです。コストコならではの大容量販売ですが、1kgあたり300円くらいでコスパの良いドッグフードです。気になる原材料は次の通りです。
「ラム、ラムミール、玄米、米ぬか、米、卵類、精製麦、鶏脂、ビートパルプ、ジャガイモ、フィッシュミール、フラックスシード、調味料、イースト、キビ、えんどう豆、ニンジン、ケルプ、リンゴ、スキムミルク、クランベリーパウダー、塩化カリウム、食塩、塩化コリン、ミネラル類、ビタミン類、ローズマリーエキス、グルコサミン、コンドロイチン、パセリ、チコリールート」
ダイアモンドナチュラル
こちらはアメリカのダイアモンド社が提供しているドッグフードで、プレミアム性が高いということで人気も高く、1kgあたり333円からと格安です。気になる原材料は次の通りです。
「ラム肉、米粉、精白大麦、粟、鶏脂肪(ミックストコフェロールにて保存)、卵、米糠、ピートパルプ、亜麻仁、天然フレバー、魚肉、塩化カリウム、食塩、塩化コリン、補助ビタミンE、鉄たんぱく質化合物、亜鉛たんぱく化合物、銅たんぱく化合物、硫酸鉄(2)、硫酸亜鉛、硫酸銅、沃化カリウム、チアミン価硝酸塩、マンガン(2)たんぱく質化合物、アスコルビン酸、補助ビタミンA、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、硫酸マンガン、亜セレン酸塩ナトリウム、塩化ピリドキシン(ビタミンB6)、補助ビタミンB12、リボフラビン、補助ビタミンD、葉酸」
まとめ
家族の大切な一員である愛犬にはできるだけ良いものを食べて欲しいですね。家計に余裕があるなら、ぜひヒューマングレードのプレミアムドッグフードを与えるようにしてください。値段は高くても、後々病気になって治療費がかかるかもしれないことを考えると、良いものを与える価値はあるといえます。さらに安全性を第一に考えれば健康で長生きすることができるでしょう。
それでもコスパを第一に考えて経済的なドッグフードが良いという場合は、原材料名をよく見てから選ぶようにしましょう。メイン食材が肉か魚のもの、アレルギーが発症する原因になる穀類を使用していないこと、そして無添加のものを選びましょう。今回おススメした以外にも安くて愛犬に優しいドッグフードはあるので、良く調べて、愛犬に合ったドッグフードを選んであげてくださいね。
【お願い】ドッグフードは食いつきやアレルギー、わんちゃんのライフステージなどで必要なものは変わっていきます。特定のドッグフードが愛犬にぴったりということはありませんので、必ず飼い主さん、場合によっては獣医師さんの判断によって、少しずついろんなタイプのフードを試してあげてください∪・ω・∪
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