2021年のプロ野球セ・リーグのペナントレースは10月26日にヤクルトの優勝が決定、2位阪神との熾烈なマッチレースを制した。
ヤクルトと阪神が終盤まで優勝を争ったシーズンは1992年、2015年に次いで3度目。今季は優勝が決まった26日の試合前から、1992年シーズンのヤクルト・阪神・中日の因縁が今季に似ているのではないかとファンにクローズアップされるようになった。
与田監督ラストゲームで完封
10月26日の試合前のヤクルトのマジックは残り3試合で2。阪神はこの日の中日戦(甲子園)が最終戦で、阪神がこの試合に勝利した場合、ヤクルトが3試合で2敗すれば逆転優勝の可能性があった。
しかし、ヤクルトが横浜スタジアムでDeNAに勝利し、阪神は4-0で中日に敗れ夢は潰えた。
阪神と同じく26日で全日程を終えた中日はこの試合で主軸ビシエドが欠場するも相手のミスにも乗じて4点を取り、投手5人の完封リレーで今季限りで退任する与田剛監督のラストゲームを飾った。阪神は中日に引導を渡された形だ。
「阪神ファン、怒号と悲鳴 ナゴヤ球場が敗戦で騒然」の当時報道
1992年シーズンの後半戦は今季と同じくヤクルト・阪神・巨人の三つ巴となり、10月4日に巨人の優勝が消滅、ヤクルトは10月6日・7日の対阪神2連戦(神宮)に連勝し単独首位に立つ。
10月9日に阪神はナゴヤ球場でシーズン最終戦の中日と対戦するが、中日はすでに最下位が確定。中日にとっては消化試合だったが1-0で阪神に完封勝利、山本昌が13勝目を挙げた。この試合で9回に登板してセーブを挙げたのが当時現役の与田監督で、捕手は中日時代の矢野監督だった。
当時の朝日新聞には「阪神ファン、怒号と悲鳴 ナゴヤ球場が敗戦で騒然」(10月10日朝刊)と報じられ、阪神ファンの怒号も飛び交ったと伝えられている。
この敗戦で阪神は追い込まれ、優勝するには10月10日・11日のヤクルトとの天王山2連戦(甲子園)に連勝した上でプレーオフに勝利することが必須となる。結局10日にヤクルトが5-2で勝利しリーグ優勝を決め、厳戒の甲子園で野村監督が宙を舞った。
負けられない局面で下位の中日に手痛い1敗を喫する――阪神の状況が1992年と今季で酷似しており、1992年の中日には与田監督さらに矢野監督までも選手として在籍しているという因縁がネット上のファンによりにわかに注目され、「歴史は繰り返す」「すごいことが」と驚かれている。
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