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中谷医工計測技術振興財団 2025年度 科学教育振興助成 募集中_助成校と生成AI活用教育現場のプロがトレンドを共有するセミナーも開催


BME(Bio Medical Engineering)分野の発展を願い、医工計測技術分野で技術開発や技術交流などの促進と人材育成を目的に、技術開発研究助成、長期大型研究、技術交流助成、大学院生奨学金、科学教育振興助成など、幅広い助成事業を展開している公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団は、10月16日、都内で「生成AI を教育にどう活かし、取り組むのか」をテーマにしたトークイベントを開催。

伊藤真之 神戸大学 人間発達環境学研究科教授がコーディネーターを務め、真木大輔 愛媛大学 教育学部附属中学校教諭、巳波弘佳 関西学院大学 副学長・情報化推進機構 機構長、山口晃弘 東京農業大学 教職・学術情報課程 教授が、「未来の教室」はどう変化する? 生成AIと学校教育といった話題について語り合った。

こうしたトークイベントは中谷医工計測技術振興財団の科学教育振興助成「個別校助成・複数校連携助成・教員支援助成」「次世代理系人材育成プログラム助成」の2025(令和7)年度助成募集期間にあわせての開催だ。

2025年度 科学教育振興助成 募集中

中谷医工計測技術振興財団の科学教育振興助成は、「個別校助成・複数校連携助成・教員支援助成」「次世代理系人材育成プログラム助成」などがあり、子どもたちの論理的思考力や創造性の成長を促すため科学教育の振興を目的とし、小学校・中学校・高等学校における取り組みに対して助成する「個別校助成・複数校連携助成・教員支援助成」は、10月1日~11月30日の2か月間、2025(令和7)年度助成を募集中。
https://www.nakatani-foundation.jp/business/grant_science_edu/

また、大学や高等専門学校が企画する、科学技術分野への感心が高い中学生の多様な興味関心を汲み取って伸ばす体系的なプログラムに対して助成する「次世代理系人材育成プログラム助成」は、10月1日~11月20日の間、2025(令和7)年度助成を募集している。
https://www.nakatani-foundation.jp/business/grant_science_edu/next_generation_science/

生成AI の教育的活用最前線を共有

今回の中谷医工計測技術振興財団「生成AI を教育にどう活かし、取り組むのか」トークイベントでは、AI活用に積極的な学校とそうでない学校での格差をはじめ、さまざまな課題が指摘されている “AI と教育” に焦点をあて、「生成AI を教育にどう活かし、取り組むのか」をテーマに最新トレンドを共有。

GIGA スクール構想がすすみ、学校の授業で ICT 教育が必須となっているなか、今回は、生成AI の教育的活用に関する研究や、AI 活用の人材育成を担当している“現場のプロ”がオフライン+オンラインで集結。

全国の助成校の教職員もオンラインで聴講し、教職員たちからの質問をふくめ意見が交わされた。

学校教育の現場に生成AI が入る近未来

伊藤教授は、ことし2024年のノーベル物理学賞が AI(人工知能)技術の中核を担う機械学習の基礎を築いた2名の学者が受賞したことに触れ、「ノーベル化学賞でもAIでたんぱく質の構造予測に成功した研究者らが受賞した。近い将来、自分より賢い AIとつきあうときに、どう人間はそれらと接していくかなどに注目が集まる」と投げかけ、登壇者たちは「学校教育の現場に生成AI が入る近未来」について、それぞれが予測と期待をこう伝えた。

―――真木大輔 愛媛大学 教育学部附属中学校教諭

生徒たちが生成AIを日常的に活用するようになると、個人それぞれ個別に最適な学びが促進し、これまで以上にさらに深い探究学習や創造性を育むようになる。

また、リアルタイム翻訳やプログラミング生成などで、言語の壁を超えた交流・学びも実現する。学校側では教職員の業務効率化・負担軽減が実現し、多様な評価方法が導入でき、教職員自身も生成AIによってこれまで以上にスキルアップできる。

―――巳波弘佳 関西学院大学 副学長・情報化推進機構 機構長

教職員は、生成AIで業務改善しながら“より本質的な仕事”に集中できるようになる。

知識習得のための訓練や授業支援は生成AIに任せ、教員の役割は全体設計とファシリテーションへと集中させる。

生徒たちは生成AIで個別最適化された学習や、AIチャットボットによる学習支援も実現する。

教室では、ひざを突き合わせた高度な演習やPBL(Project Based Learning:問題 課題解決型学習)が実現する。

そこには、小中高という発達段階で生成AIとの関わり方が大事になってくる。

―――山口晃弘 東京農業大学 教職・学術情報課程 教授

教育現場に生成AIが日常的に入り込むようになると、教員は生徒の対話や協働学習を促すファシリテーターや、個々の生徒の成長をサポートしキャリア指導にも注力できるメンターとしての役割が強くなる。

現段階でも、生徒たちは「AIはこう考えた。ぼくはこう考えた」という研究成果発表の伝え方が出てくるようになった。

今後は、プロンプトの入力スキルが問われるなか、AI以外のリアルな現場でもそのスキルは大事になってくる。

生徒も教員も、プロンプトと同じように、互いにわかり会えるような問いかけ、話し方へと、指導の仕方が変わるだろう。

また、不登校の増加という課題もあり、生成AIが介入して課題解決に導ければと思う。

科学教育振興助成 2025年度 募集中

中谷医工計測技術振興財団 松森信宏 事務局長は、最後に「今回は、生成AI の教育での活用というたいへん旬な話題になりました。伊藤先生 真木先生 巳波先生 山口先生と、それぞれ違う立場からたいへん興味深いお話をお伺いすることができました」と伝え、こう続けた。

「わたしども中谷医工計測技術振興財団は、今年で40周年を迎えることができました。

科学教育振興助成では、年間 100件の支援をさせていただいております。2025年度は、10月1日~11月30日の2か月間、募集しております。

詳細は、ホームページをご参照いただきまして、ご活用ご検討いただけましたら幸いでございます」(松森信宏 事務局長)

◆中谷医工計測技術振興財団 科学教育振興助成

科学教育振興助成トップ

幅広い層へ支援、中谷医工計測技術振興財団

中谷医工計測技術振興財団は、神戸に本拠を置く臨床検査機器・試薬メーカーであるシスメックス株式会社の創業者 故中谷太郎により、1984年「中谷電子計測技術振興財団」として設立。

その意思を継いだ子息の故中谷正の遺贈を受け、2012年に大きな事業が行える財団へと生まれ変わり、同年には公益財団法人に移行し、現在の財団名に。

それ以来、医工計測分野の広範な発展を願い、先導的な技術開発への助成を中核として技術開発に顕著な業績をあげた研究者への表彰や技術開発に関する交流への助成等の事業を行ってきた。

また、2014 年以降は、若手人材育成のため、大学院生向け奨学金や大学生の短期留学サポート、さらにすそ野拡大のため、小中高校生を対象とした科学教育振興など、幅広い層への支援を実現。

研究者から小中高校生まで、トータルに事業展開をする国内有数のユニークな財団として、2024年に設立40周年を迎え、助成分野を BME(Bio Medical Engineering)分野に拡げるとともに、新たな表彰事業「神戸賞」を創設した。

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