遅刻の言い訳
「は？
また遅刻？」
まゆ子はいっつも
待ち合わせに遅れてくる。
理由は決まってて、
「ごめ～ん！
カレが離してくれなくって♪」
だってさ。
やれやれ。
同棲してる彼氏と
ラブラブなのはいいけど、
少しは友達のことも
考えてくれないかな。
さすがに腹が立ってきた。
今日こそはビシっと言ってやらないと。
「ごめ～ん、待たせちゃって！」
「ちょっと、まゆ子。
今日はなんで遅れたの？」
「それは…
カレとイチャイチャしてたら、
その…ね？」
「ね？じゃないよ！
いっつも私のこと待たせて！」
「だからごめんって！
だって、カレったら、
わたしが家から出ようとすると
甘えてきて…
それが落ち着かないと、
出て来れないんだもん」
「いつもそうじゃん。
友達待たせるより、
彼氏の機嫌とるのが
そんなに大事！？」
「そうじゃないけど…
ねえ、許してよ～」
そう言って、
私に抱きついてくる
まゆ子。
「もう、いい加減にして！」
「痛っ！」
「あ、ごめん…」
私が突き飛ばしたはずみで、
まゆ子の着ていたカーディガンが
大きくめくれて…
おつです。
うちの会社では効率化のため、
社内コミュニケーションの
省略を促進している。
例えば「お疲れ様です」なら
「おつです」だ。
外国人社員もその慣習を
守っているのだけれど、
最近ロスから来た
海外戦略部のマイケルは
「おつです」が上手く言えず、
「うつです」といつも言っている。
その可愛らしい間違いに
つい周りの社員は笑ってしまう。
そういえばしばらく話してないな、
ランチにでも誘ってみるか。
「マイケル、おつです。
最近どう？
あれ、なんか元気ない？」
「はい、実は…」
同窓会に呼ばれたタカハシ君
久々だなー。
みんなと会うのは。
高校卒業して以来だから
５年ぶりか。
みんな社会人で
バリバリやってんのかな。
女の子達も
結婚とかしてるんだろーなー。
子供とか連れてきてる子も
いるんだろうなー。
いやー。
楽しみだ。
卒業してから初めての
同窓会って言ってたもんな。
きっと盛り上がるぞー！
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