ガラス細工はガラスを使用した工芸品。ガラス独特の透明感や美しさを活かし、制作者によって作品の味わいや特徴が異なり、世界にひとつだけの特別な作品になります。そんなガラス細工ですが、Twitterにてガラス作家の定榮政隆(@MasatakaJoei)さんがご投稿した「ガラス細工」動画が話題を集めています。職人技が光る緻密な作業工程は、まるでガラスに命を吹き込んでいるかのようです。
繊細で緻密な色入れ作業が圧巻!
1番大変だけど、1番好きな色入れ作業。
0.5ミリ幅の区画でも、入れる色によって全体の印象に差が出るから侮れない。
バランスが崩れないように、おっかなびっくりで入れる色を決めていく pic.twitter.com/WgRAQZLuUf
— ガラス作家 定榮政隆 (@MasatakaJoei) November 7, 2022
圧倒的に美しい、ガラス細工の作品の色を入れる作業のツイートを発見しました!「0.5ミリ幅の区画でも、入れる色によって全体の印象に差が出るから侮れない。」というコメントと共にご投稿されています。それほど作家さんのこだわりと技術、思い入れが詰まったガラス細工作品にため息が出るほどうっとりしてしまいますね。
ツイートのリプ欄には、圧巻の色入れ、根気のいる繊細な作業と集中力にリスペクトという声が国内外から、続々と寄せられ注目を集めています。
・繊細でとても美しいです……!!
・こういう作業に妥協しないから素晴らしい作品が出来るんですね。
・素敵過ぎます。いつかこの作品にお目にかかりたいです。
・凄い!美しい!そしてエグい!大雑把で集中力のない私には絶対にできない作業です!とても素晴らしいです。
制作者さんインタビュー
ガラス作家 定榮政隆(@MasatakaJoei)さん(以下、定榮さん)にお話を伺いました。
■プロフィールや制作を始められたきっかけを教えてください。
小さい頃からガラス細工が好きでした。一度は東京でサラリーマンになったのですが、父の他界をきっかけに地元に戻り、幼少期から憧れていたガラス細工の世界に飛び込みました。
■動画の作品ですが、どのように作られているのでしょうか?
最初にサンドブラスト技法を用いてガラスを彫るのですが、彫る前にデザインを描き起こします。描き起こしたデザインを元にマスキングシートと呼ばれる保護シールを作ります。このシールをガラスに貼り付けることで、サンドブラストをした時にガラスを彫る部分と彫らない部分を分けています。
平面上で描き起こしたデザインを球体に貼り付けるので歪みが生じますが、サッカーボールの様にパーツ同士が組み合わさるように設計してガラス上でデザインを貼り合せていきます。
マスキングシートを貼り終わったらサンドブラストで彫刻しますが、線が細くシートが繊細なため、少しずつ慎重にガラスを彫っていきます。サンドブラストが終わってガラスに凹凸が出来たら凹んでいる部分に合成漆を用いて雲母顔料で着色していきます。
■動画の作品は完成されるまで制作時間はどれくらいかかりますか?
動画の作品は、過去製作してきた作品の中でも一番大きい物で直径15㎝のガラス球です。 製作開始から完成まで約4ヵ月かかります。
■作品作りの中、こだわられているところや難しい点など教えてください。
様々な技術の複合技で作品を作っているので、一つ一つの作業を丁寧にこなせるように心がけています。小さい頃から細々したものが好きだったので、自分の作品も細かさや繊細さを追求して制作しています。
■いいねやRTされるなど、反響がありますがどのような心境でしょうか?
最近は作品の販売先がほとんど海外なので、日本の方に興味を持って頂けるのはとても嬉しいです。
■今後の夢、制作してみたい作品を教えてください。
制作したみたい作品や夢もまだまだたくさんあって語り尽くせないのですが、ひとつひとつ実現していけるように頑張っていきたいと思います。
定榮さん、お忙しい中ガラス細工について垣間見れる素敵なお話をしていただきありがとうございました。
動画の色入れ作業をされているガラス細工作品の完成を楽しみにしてます!今後も定榮さんの作品から目が離せないですね。
ガラスといえば、「車のフロントガラスの霜」を取るライフハックも覚えておきたいですね!
取材協力:ガラス作家 定榮政隆(@MasatakaJoei)