ガラス作品には透過性のある色合いや、個性あるフォルムなど作り手のこだわりを感じられ、魅力のあるものも多く存在しています。そんなガラスですが、Twitterにて、glass工房ココロイロ(@Sakura23saku23)さんがご投稿した「硝子のナイフ」の動画が注目を集めています。そのナイフは、神秘的なガラスの造形美を感じられ、見ると一瞬で心奪われる秀逸な作品なのです。
硝子のナイフが最高!
授業のデモで作った硝子のナイフ pic.twitter.com/rhuLwTfVTD
— glass工房ココロイロ (@Sakura23saku23) April 15, 2023
「授業のデモで作った硝子のナイフ」という一言共に、作品の動画が掲載されたツイートを見つけました!高度な技術によって制作され、繊細な美しさも感じらる、不思議なパワーを秘めていそうな見た目に心惹かれてしまいますよね。
制作者さんインタビュー
制作者は、新野恭平(ニイノキョウヘイ) さん。兵庫県出身の新野さんは、大阪芸術大学 工芸学科 ガラス工芸コース専攻。その後、大阪芸術大学大学院進学しご卒業。卒業後は1年間ガラス工房で働かれ、2013年に独立しglass工房ココロイロを設立されています。
新野さんに制作秘話を伺いました。
■ガラス作品を制作されたきっかけは?
ーーもともとものづくりは好きだった私ですが、工業高校に進学しました。しかし、車やら機械などそこまで好きにはなれず、このまま工業系の仕事に就職するのも違うかなぁ……と考えていた時に、テレビでトンボ玉の特集が流れており、ビビっとこれだ!これに挑戦して生きていこう!と決めました。
■ガラスのナイフ作品を作ろうと思われたきっかけは?
ーー幼い頃アニメやゲームが大好きでした。 またその時の夢が刀鍛冶職人になりたいと思っていたこともあり、その影響もあると思います。 大人になってからも厨二心が刺激する作品を作りたいと思い挑戦しました。
■ガラスのナイフはどのように制作されているのか制作過程を教えてください。また、制作にあたり、こだわられた点や難しかった点は?
ーー2000度の炎が放出される酸素バーナーで耐熱ガラスを熔かし作っています。 酸素バーナーは、吹きガラスのようなもともとガラスが熔けているのを巻き取って作るのではなく、様々な太さのガラス棒を熔かし直し成形していきます。
型などはなく完全にフリーハンドでガラスをひっぱったり、ピンセットでちぎったりしながら形を決めていきます。 また、大きくなるとガラスの放射熱もかなり熱く、手元にある酸素バーナーから放出された炎がガラスにぶつかり、その跳ね返りの炎が自分の手や顔に来ることも多いですね。
刃の部分はガラスの塊を潰してから薄く引き伸ばして作るのですが、耐熱ガラスはすぐに固まるという性質もあって太く長いものを作るのは至難の技で苦労しました。 引き伸ばすのは一発勝負なので、かなり緊張しながら制作しています。
■今後の夢は?
ーーガラスの武器のシリーズはナイフ以外にも杖や斧、弓、銃など様々制作しています。 そんな僕の妄想を現実にした作品達をもっと多くの人に見てもらえる機会があればいいかと思っています。
今後も新野さんが生み出す圧巻の作品で、ガラスの世界を盛り上げていただきたいですね。新作もお目にかかれる日を楽しみにしています。
ナイフといえば、色が変化するファンタジー過ぎるナイフもカッコいいですよ。
取材協力:glass工房ココロイロ(@Sakura23saku23)