<JFL:新宿0-3鈴鹿>◇第28節◇11日◇国立
アトレチコ鈴鹿に所属する57歳FWカズ(三浦知良)が11日、プロ40年目となる来季も鈴鹿でプレーすることを明言した。鈴鹿はこの日、「明治安田・サッカーの日マッチ」で国立競技場でクリアソン新宿と対戦。カズは左足負傷のためベンチ外で、2年ぶりの国立でのプレーはならなかったが、キックオフ前のセレモニーに参加し来場した。
試合後に取材に応じたカズは、プロ40年目となる来季に「ここまでやれているのはみんなのおかげ。いろんな人に支えられてここまで来られている。感謝を忘れずに、自分らしくやっていけたらいい」と話した。
今年6月、ポルトガル2部オリベイレンセを退団し、横浜FCからの期限付き移籍で鈴鹿に加入した。鈴鹿からは1年半の提示を受けていたという。
今年は7月14日のヴェルスパ大分戦の後半に途中出場し約1年8カ月ぶりに日本のピッチに立った。10月26日には、ホームでのソニー仙台戦で22年11月以来、約2年ぶりとなる先発出場を果たし、後半10分までプレー。11試合連続出場となり、自身の持つリーグ最年長出場記録は57歳243日に更新した。
JFLでの戦いに「勝利はすごく重たいもの。ここ3、4カ月はまず勝利、チームをどのように上げられるかを思いながらやっていた。チームが強くならないと自分も活躍できないので。なんとかチーム力を上げたいという気持ちでやってきた。ヴェルディでは、常に勝利、優勝が求められた。毎回毎回、勝つということがこんなにも難しいとやっていた」と振り返った。
来季、鈴鹿はクラブとしてもJ3ライセンス取得し、J3昇格を目指すことになる。カズも「地域の盛り上がり、ムーブメントを起こすにはライセンスをしっかり取れるかが重要なこと。あらためて戻って感じた」とし「J3を目指すと言っても、サッカーは昇格があれば降格もある。昇格を目指しているチームが降格圏に入ることがある。1歩、歯車が合わなくなったらそちら側に引きずられる。それは絶対あってはいけないこと。気を引き締めていかないと大変」と現実をしっかり見ている。
プロ生活で、常に「サッカーへの情熱」という言葉を口にしてきた。57歳の今も「情熱というのは、増すものがあります」と話す。一方で「体は衰えていく。そんな中でも、クラブ、スタッフ、調理師、管理栄養士、地元の応援してくれている人…。いろんな人の助けを得ながら毎日やってますので、なんとか応えたい。その情熱を持ってやりたいなと」と、プレーすることでの恩返しを誓う。
この日は平日夜にもかかわらず、国立に1万4907人が観戦に駆けつけた。カズは「平日なのにね。6万人入れられるように頑張ります」。来季は、聖地・国立でプレーし、サッカーファンを沸かせる。