はじめに


2016年もそろそろ終わりが近づいてきましたよね。新しい一年である2017年を迎えるにあたり、世界で一番早く新年を迎える国と一番遅く新年を迎える国をご存じですか?
今回は、新年を一番早く迎える国と一番遅く迎える国の紹介を、時差をからめてご紹介いたします。

時差ができる理由


海外旅行をしている方なら必ず経験しているのが「時差」です。
そもそも時差とはなんなのでしょうか?

これは、地球が丸く(正確にいうと西洋梨型)をしていて、西から東へ自転しているために起こる現象のこと。

日本とそのほぼ反対側にあるブラジルのリオデジャネイロは、約12時間の時差があります。いわゆる、日本が昼のときにブラジルは太陽の光が届かない場所にあるので、夜となります。

そんな大きな違いが場所によってあるのに、全世界で一緒の時間を決めていたら、人々の生活は夜に働く国がでたりして、大混乱となります。そのため、世界各国では太陽の見え方によって標準時間を決めており、時差が生じるのです。

時差と日付変更線


地球の自転は24時間かけて1回転(360度回転)となっています。それを1時間当たりどれくらいの角度で周っているかを算出すると、15度になるのです。

これを起点となるイギリスのグリニッジ展望台を通る北極と南極をつなぐグリニッジ子午線(経度0度地点)から経度が15度ずれるごとに1時間ずつ時間がずれていきます。

そして、グリニッジ子午線から経度180度の場所にあるのが「日付変更線」です。日付変更線を基準に東経と西経に分けています。

この日付変更線を西から東(例:日本からアメリカ)へ移動する場合は前日の日付に戻り、逆に東から西(例:アメリカから日本)へ移動する場合は、日付を翌日に進める必要があるのです。

ちなみに、地球の1日が始まるのは日付変更線の東経から西経方向に向かって始まっていくので、東経135度に標準時間を設定する日本は経度0度のイギリスよりも早く1日が始まるということになります。

では、世界で1番早く新年を迎える国とは?


このことをふまえて考えると、一番早く新年の初日の出を迎えるのは日付変更線から一番近い場所にある東経の国がキリバスのライン諸島です。

キリバスのライン諸島は、1995年より以前は日付変更線の西側にあったのですが、1つの国のなかで日付変更線をまたぐのはなにかと不便だということで、1995年に日付変更線を東側にずらした結果、世界で一番早く新年を迎えることとなりました。

ただ、世界にはサマータイムを導入している国もあり、それを考慮するとサモアとトンガも新年を早く迎える国なります。

世界中で一番早く新年を迎えたい方は、この3国に旅行に出かけてみてはいかがでしょうか?

逆に世界で一番遅く新年を迎える国とは?


新年を一番遅く迎える地域は、日付変更線に近い西経側の国ということになります。

正確にはベーカー島とハウランド島なのですが、こちらの2つの島は無人島なので、人が住んでいる地域で考えると、アメリカ領サモアとニウエ島が新年を迎えるのが最も遅い地域となります。

ここで注目してもらいたいのが「サモア」と「アメリカ領サモア」です。世界で1番早く新年を迎える国と最も遅い国なのですが、地図で確認してもらうとわかりますが、約100km程しか離れていません。

そのため、1年で新年を2回も迎えることも可能なのです。新年を2度体験したい方は試してみてはいかがでしょうか?

おわりに


新年が一番早い国と一番遅い国が実はとても近い場所にあるだなんて意外でしたよね。ただ、サマータイムを除いて考えると、やはりキリバスのライン諸島が一番早く新年を迎える場所なので、正確な場所として覚えておくと、ちょっとした自慢に使えるかもしれませんよ。



情報提供元: 旅色プラス