はじめに


近年の雲林の虎尾地区の観光に奇跡を起こしたもの…それは名産のひとつである、さつまいもでした。牽引したのはペストリー「虎珍堂」のさつまいもスイーツ。雲林の10大手土産に名を連ねるだけでなく、さつまいもスイーツのブランド化にも成功。最近では、国際的な食品審査会「国際味覚審査機構」でひとつ星を獲得。オーナーの林進誠氏が発芽させたさつまいもスイーツ、雲林でおいしく実っています。

さつまいも&地元愛から生まれたスイーツが大躍進。


郷土愛とさつまいもが好きが高じて林進誠氏が創立したペストリー「虎珍堂」。実直な精神で、高級なさつまいもスイーツを作るというポリシーのもと、台湾で最も美味しいといわれる地元産の黄金地瓜(さつまいも)の台農57號を使い、丹精込めた製品づくりを続けて、今年で4年。その間、たくさんの“大事件”があったといいます。

まずは、雲林の10大手土産に3年連続で選ばれたこと。そして2019年11月にユニクロ雲林店がオープンした際、先着プレゼントとして “虎丸御皇吉(さつまいもパイ)”が配られたこと。さらに、2020年6月にはベルギーで開催され、食品界のミシュランとも呼ばれる審査会「国際味覚審査機構」で“憨吉濃濃乳酪蛋糕(さつまいもの濃厚チーズケーキ)”がひとつ星を獲得。林進誠氏は、ここまでの道のりを振り返り「初心を貫き、こだわり続けた日々は価値があった」と語ります。

さつまいもがさまざまなスイーツに変身!ギフトとしてのニーズは絶大です。


ショップの宝といえる看板商品は“虎丸御皇吉(さつまいもパイ)”。こちらは、塩で味付けした卵黄を手捏ねで作ったさつまいもペーストで包み、パイ皮で包んで焼き上げた丸いパイケーキで、卵黄の塩気とさつまいもの甘みのバランスが絶妙です。“紫薯流心餅”は、紫いものペーストを包んだ平たいパイで、中にはちみつのヌガーが隠れているのがポイント。紫いもの淡い香りと甘い餡、サクサクの食感とのトロミのある餡……それぞれのコントラストが楽しめる一品です。
お土産として支持されているのは、国際的な評価も高い“憨吉濃濃乳酪蛋糕(さつまいもの濃厚チーズケーキ)。味の決め手は、さつまいもとニュージーランド産のピュアチーズの黄金比。ふわふわの食感と、龍眼ハチミツの爽やかな甘みの余韻を味わうスイーツです。
新作の蜜いもをトッピングしたブリュレ “蜜薯厚布蕾”、慶事に選ばれる紫いもの米粉ケーキ“紫薯米蛋糕”も見逃せません。また、高すぎない温度で揚げたさつまいもチップス、歯にくっつきにくいさつまいもヌガー、そして唯一おいもを使わないフランス式プチシュークリームは、後を引く美味しさで、食べ出したら止まらないとの声が多数。一袋では絶対に足りないともっぱらの評判です。

時代感ある建物は、観光スポットとしての吸引力も大。


虎尾を訪れた皆が目指すペストリーであると同時に、観光スポットでもある「虎珍堂」。レトロな日本と閩式(福建式)を融合させた空間デザインで、古風な趣きと文学的な雰囲気が特徴。畳のスペースは休憩場所として、また撮影スポットとしても人気です。
菓寮店は、虎尾地区のかつての繁華街である中山路にある築70年の建物を利用したショップ。近隣には砂糖工場や虎尾鉄橋などがあり、歴史を感じさせるエリアにあります。オーナー夫人の李淑屏氏は、時代を経た建物の趣きを壊さぬよう細心の注意を払いつつ「虎珍堂」の禅の美学を取り入れたショップに作り上げました。

焼き立ての虎月燒は、手提げ型の“映える”パッケージも魅力。


1階は、さつまいもスイーツのギフト販売と、どら焼き“虎月燒”の実演販売をしています。蜂蜜入りの皮に、萬丹あずき&さつまいもチーズケーキ、萬丹あずき&抹茶チーズケーキをサンド。休日に訪れたなら、限定商品の紫いも&カスタードが必食です。いずれのフレーバーも、味わいは濃厚、口当たりは滑らか。
2階部分は、この建物と中山路を物語るスペースとして開放。これが大変な人気で、休日は、12歳以上かつドリンク+虎月燒とおみくじがついた限定セットを注文した人のみが入室可能です。

おわりに


“虎月燒”は、食べ歩き用のおやつとしても人気。雲林訪問時は、さつまいも・台農57號の価値の爆上げに貢献したペストリーの実力を、ぜひ確かめてみて。

◆虎珍堂地瓜糕點專賣
本舖門市
住所:雲林縣虎尾鎮自強街147號
電話:+886-5-632-8835

菓寮門市
住所:雲林縣虎尾鎮中山路13號
電話:+886-5-632-3639
情報提供元: 旅色プラス