はじめに


かつては職人が一つひとつ作ったオリジナルデザインのものが多かったものの、老朽化から年々姿を消しつつあるコンクリート製の公園遊具。今回は、万博を控え盛り上がりをみせている大阪・前編です。再開発が進み、ことさらいつなくなってもおかしくない公園遊具たち。そのなかからわざわざ行きたい、おすすめの滑り台遊具をご紹介します。

Text&Photo: あさみん(公園遊具マニア)

急角度がスリル満点のくじら(貝塚市)


二色の浜公園は、松風広場ゾーンに、レストハウスや児童遊戯場などの施設を整えた中央ゾーン、海浜性の樹木や複合型遊具のある潮風の森ゾーン、スポーツが楽しめるスポーツの森ゾーンなどで構成された海浜公園です。

海沿いということもあり、海をモチーフにした遊具が並んでいます。こちらの大きなくじらの遊具は、口の中に加え、尾の部分もスロープになっていて、急角度でスリル満点。ほかにも貝やイルカ、黒いくじらの遊具も。

海の近くでは海水浴やバーベキューもでき、1日中楽しめますよ。


◆二色の浜公園
住所:貝塚市沢859−1
二色の浜公園内の東側、スポーツの森ゾーンにある脇浜児童遊戯場(カニ公園)にも、海の生き物をモチーフにした遊具がたくさんあります。特に公園の名前の由来にもなっているカニの遊具は、滑り台やネットなどいろんな方向から楽しめる複合型で目を引く存在。

園内にはほかにもアスレチックの遊具がいくつもあり、子どもたちに大人気のスポットです。駐車場が広くて使いやすいのも、子連れで行くにはありがたいポイント。


◆脇浜児童遊戯場(カニ公園)
住所:貝塚市脇浜4丁目34

青い親子のゾウにほっこり(豊中市)


桜塚公園には、キュートなゾウの滑り台があります。大きなゾウのそばには、小さな子ゾウも並びその姿にほっこり。
桜の名所としても知られ、春には花見客も多く訪れる憩いの場です。さらに周りは豊中大塚古墳や小石塚古墳などの古墳群があり、歴史も一緒に学べるのが嬉しいところ。


◆桜塚公園
住所:豊中市中桜塚2丁目25−24−2
アクセス:阪急宝塚線岡町駅から徒歩約5分

この形は何? 悩んでしまう遊具(高槻市)


城跡公園は、森・城跡のお堀を模した石垣と池を中心としたゾーン、野球場などのスポーツゾーンが設けられています。ほかにも広場や歴史民俗資料館、 交通遊園などもある、大型公園です。
そんな園内で、一見なんの形か考えてしまう遊具があります。これ、実はチューリップの花の形なんです。階段が1カ所あり、上りきると2つに分かれた滑走部が。
周りには時々公園で見かけるタコの形の遊具や、いろんな形の複合型遊具も多数並んでいますが、なかでも無料で乗れる足漕ぎのゴーカートが人気です。


◆城跡公園
住所:高槻市城内町3

今にも飛び跳ねそうな巨大カエル(八尾市)


たくさんの遊具が揃う広場やプール、野球場やグラウンド、BBQができるエリア、ウォーキングコースなどあり、子供から大人まで一年を通じて利用できる久宝寺緑地。ここには大きな口を開け、長い舌を出し、今にも飛び跳ねようとしているカエルの遊具があります。周りにはオタマジャクシのイスも並び、職人のこだわりが透けて見える見事な作品。


◆久宝寺緑地
住所:八尾市西久宝寺323

団地に咲いた一輪の花(大阪市)


大阪湾に作られた人工の島、住之江区にある大阪市営南港中住宅は、「花のまち」と名づけられた高層マンションが立ち並ぶニュータウン。その中にある公園には、無機質な空間の中でひっそりと咲く花の形の遊具があります。
近くにはまた別の花の遊具もあり見逃せません。


◆大阪市営南港中住宅
住所:大阪市住之江区南港中5-3

おわりに


こういった珍しい形の公園遊具は、近年SNS映えやコスプレの撮影場所などいろんな場面で注目されつつあります。すると管理している役所が「そんなに人気なら」と、色の塗替えやメンテナンスをして残す傾向があるんです。気になる人はぜひ現地に出かけ、写真を撮って拡散してください。注目を集めればこれからも残ってくれるかも。


◆あさみん
地元名古屋を中心に、全国の名所からおもしろいもの、珍しいもの、くだらないものが好きな公園マニア。『コンクリート動物百景』(八画文化会館)著。



情報提供元: 旅色プラス