はじめに


奄美大島では、あなたも空を飛べるんです! モーターパラグライダーを使ってね。細長く山がちな陸地がうねうねと入り組む奄美大島ならではの、空からしか見えない絶景を、生身で堪能するってどういうこと?! 鳥の爽快感ってこれなのね! 他では決して味わえない、一生ものの体験を、是非どうぞ。

Text&Photo:とまこ

モーターパラグライダーってどんなの?



パラグライダーは、イメージが浮かびやすいかもしれません。細長い翼にぶら下がるような格好で空を飛んでいるアレです。山の上からテイクオフ! 風に乗って空を飛ぶスポーツです。

一方モーターパラグライダーは、細長い翼にぶら下がったパイロットがエンジンとモーターを背負い、風ではなくそれらを使って空を自由に飛ぶスポーツです。なので、平地からでも離陸することができます。

飛べる場所は日々違う、自然条件に委ねる舞台のチョイスも楽しいよ!


モーターパラグライダーは、風向きによって、飛べる場所が日々変わります。また、雨や風の強さによっては催行できないこともあります。自然条件に合わせて、飛べるかどうか、飛ぶ空はどこかが決まるアクティビティを予約すると、当日までドキドキわくわく! 自然に旅の運命を委ねる感がより強くなって、さらには体験できた時の喜びは大きくて、自然への敬意が増しちゃうかもしれません。

ちなみに、わたしが体験した場所は有名なハートロックのあるあたり(→連載第32回参照)。奄美大島で一番陸地の狭い場所だから、こっちの太平洋も、あっちの東シナ海も、その向こうにまた見えるうねった陸地も、全部見通せました。


予約は簡単、臨機応変な対応に感謝


わたしの場合は、夕方の飛行機で帰京する日にパンフレットを見つけて、そこに書かれた携帯番号にかけて予約をしました。はじめは空港に行くタイミング的に際どい時間にしか空きがなく、その枠を確保。ところが事情を話しておいたら、後にキャンセルが出てたのことで、早い時間でのお誘いをお電話でいただけました。なんて気の利いた対応でしょう! 飛びたいあなたは、諦めずにトライしてみたくださいね。また、メールでの問い合わせや予約もできます。


◆ハッピースカイ
電話番号:090-5749-9413(受付時間9:00~21:00)
メールアドレス:info@happysky.flier.jp

80歳も飛んだ! モーターパラグライダーができる条件と、服装は?


空を飛ぶって、なかなかハードなスポーツに感じられるかもしれませんが、とんでもない。体験飛行ならインストラクターさんが操ってくれる機材にちょこんと座るだけなので、実はとってもお手軽なのです。飛び立つ時に、インストラクターさんと一緒に数メートル助走するので、それができる方なら、つまりはほとんどの方がフライトすることができます。実際わたしが行った時は、80代の男性も楽しそうに飛んでいましたよ。

服装ですが、先述の通り助走するので、それができればいいと思います。あとは低空飛行時にパンツが見えなければOKかな。わたしは全く予定していない日に急に行ったので、ロングのワンピースを着ていました。ちょっとめくれ上がったくらいで、他に問題はありませんでした。

また、足元はサンダルを履いていましたが、飛行中に落ちてしまわないように、裸足です。

飛んでみた! 鳥になった体感は、フワンフワンで新しすぎた!!


飛んでみて一番意外だったのは、怖さがまるでなかったことです(もちろん個人差は大きいはずなので、ご参考まで)。高所恐怖症ではないけれど、ジェットコースターはそれなりに縮み上がるタイプなので、スリルがあって気持ちいい、という感想を予想していました。ところが、怖さなどただの一度も感じないまま、ひたすら気持ちよく、ひたすら楽しく、ひたすら知らない絶景に取り巻かれていることに感謝しているんです。それほど、安定感のある飛びっぷりだったということでしょうか……びっくり!

それにしても、フワンフワンと空に浮かんでいる体感は新しすぎて、まだ知らなかった感性が発動したことに気づきます。ならば他にもある?! 自分への可能性と期待が広がったひとときでした。


さて、飛んでる時のお楽しみのひとつは写真ですが、わたしが撮りたかったのはこれ。
ホラーでしょ、絶景に映り込む不可解な人の足。もちろん、普通に絶景をおさめるのもお忘れなく(忘れないか)。
モーターパラグライダーで動画を録るのは揺れて難しいので、別日に同じ場所でドローンを飛ばして録りました(動画はトップに)。全く同じコースではないですし、日によって飛ぶ場所も違いますが、似たような体験ができますよ。ちなみに、わたしの時は、有名なハートロックの上も飛んでくれました。動画の最後、ハート型の溝を波打ち際に見つけてくださいね。

おわりに


奄美ならではの絶景の中、サンゴ礁の海の上をフワンフワンと浮かぶ感覚は新しすぎます! きっと一生ものの体験になるし、後に何かのひらめきに繋がるかもしれません。「空を飛ぶ!」を一番の目的に据えて来島するのも最高ですね。

◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド』(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!』(幻冬舎)、『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)など既刊12冊。2018年5月14日には奄美観光大使に就任。



情報提供元: 旅色プラス