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帝国ホテルはこのほど、京都の祇園にある国登録有形文化財「弥栄会館」(京都市東山区)を改修し、新規ホテルを開業することをを決定したと発表した。
帝国ホテルブランドのホテルのホテルは東京、上高地、大阪に次ぐ 4 軒目、30 年ぶりとなる新規ホテルで、約 110 億円の総事業費をかけて 2022 年 4 月に着工し、2026 年春の開業を目指す。
今回、新規開業するホテルは、国登録有形文化祭の京都・祇園甲部歌舞伎練習場敷地内にある「弥生会館」の一部を保存活用するほか、八坂女紅場学園からも隣接する土地を借り受ける。
1936 年に竣工された弥生会館は和風意匠の伝統を取り入れた建物で、重層的な屋根や塔屋に特徴があり、祇園のランドマーク的な存在として知られていた。
オープン以降は、演劇や人形浄瑠璃、映画上映、コンサートなどの興行に使用されてきたが、近年は建物の老朽化や耐震性を理由に建物の大半は使用されていなかった。
帝国ホテルが弥生会館をホテルとして活用することで、歴史的および文化的に価値のある建物を再生するのみならず、祇園甲部歌舞伎練習場敷地全体を整備することも目的としている。
弥生会館は、京都市都市計画によって祇園町南歴史的景観保全修景地区、12m 高度地区の指定市区にあるものの、景観法の認定に加え、現在の建物と同じ 31.5m の高さを保つという計画で特例許可を取得。同会館の原型を活かしたホテル転移が可能となった。
新規ホテルは「本棟」「北棟」から成り、地上 7 階、地下 2 階に 60 客室、レストラン、バー、スパ、フィットネスジムなどを設ける予定。本棟の南西面外観は弥生会館の外壁や構造体を一部を保存、北面外観は建物のシルエットを守りつつ、現代の意匠を織り込む。
新たに増築する北棟は、祇園町南歴史的景観保全修景地区の整備方針に従い、伝統的な街なみや景観の維持に配慮した建物となる。