堀場製作所のグループ会社であるホリバ・ヨーロッパは、BeXema(ベキシマ) GmbHの買収を完了した。

 今回の買収によって、電力分野の技術をグループ内に取り込み、エネルギー分野において日々複雑さを増す開発・試験への要求に対して、顧客の課題に応えるトータルソリューションをより迅速に提供できるようになる。




 ベルリン近郊のバルレーベンに拠点を置くBeXema社は、高電圧バッテリー試験装置、バッテリーエミュレーター、燃料電池・電解槽用電子負荷装置などを供給する革新的なスタートアップ企業。これにより、燃料電池、バッテリー、水電解を中心とする評価・計測ソリューション技術を、すべてグループ内で揃える体制を整えた。なお、2018年10月にHORIBAに加わったホリバ・フューエルコンも、BeXema社より電源装置の供給を受けている。




 今回の買収に関して、ホリバ・ヨーロッパ社の社長であるDr. Robert Plank氏は次のように述べている。


「BeXema社の買収により、今後大きな成長が期待されるエネルギー分野において、幅広い製品ラインアップと対応力を持つ電源装置サプライヤーをグループに迎え入れたことは、HORIBAの戦略において大きな一歩です。これにより、変化する市場の要求に直接対応でき、またHORIBAのお客様にもその革新的な技術を供給できるようになります。これは我々にとって重要な戦略的ステップであり、高まるエネルギー市場の要求に競争力を維持しながら柔軟に対応できるだけでなく、HORIBAがグローバルに進める水素関連事業も加速させることができます」




 堀場製作所グループで燃料電池試験装置やバッテリー試験装置のビジネスを手掛ける、ホリバ・フューエルコンのManaging DirectorであるDr. Ingo Benecke氏は次のように述べている。


「エネルギー問題に対峙する自動車産業は、電動化の加速と環境負荷の低い燃料へと転換する中で、大きな課題を抱えています。今回のBeXema社の買収により、パワーエレクトロニクスをベースとした、高性能バッテリーストレージ用インバーターや高電圧試験装置がHORIBAのラインアップに加わりました。これにより、お客様の要求に迅速に対応し、カスタマイズ性を高めた新たなテストソリューションの提供も容易になります」




 HORIBAは、2023年を目標年度とした中長期経営計画の中でエネルギー分野への注力を掲げている。燃料電池、バッテリー、水電解の評価・計測ソリューションを中心とした水素関連事業は、現在のHORIBAにおいて最も資本を集中させている分野。その投資のひとつがホリバ・フューエルコン社の拠点拡張であり、延床面積を現在の6倍、生産能力を3倍に高める新棟の建築を進めている。この新棟は2022年の稼働を予定しており、今回グループに加わったBeXema社も移転・入居する。ホリバ・フューエルコン社とBeXema社が一体となって新たな製品・ソリューション開発に取り組むことで、拡大するエネルギー市場へ向けての製品供給力を強化する。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 堀場製作所:ドイツの電源装置メーカーBeXema社を買収