バッテリー技術の向上、そしてソフトウェアや急速充電技術の継続的な改善により、現在の充電時間は2020年代半ばまでにほぼ半分になると予想されている。
ボルボの最高技術責任者であるヘンリック・グリーン氏は次のように述べている。
「私たちは、電気自動車を運転することで得られるお客様のメリットを常に高めていきたいと考えています。バッテリーセルの設計と統合をシンプルにすることで、重量を減らし、スペースを最大限に活用することができ、バッテリー容量、航続距離、充電時間を大幅に改善することができます」
ボルボ・カーズが完全な電気自動車の会社になることを目指すと同時に、サステナビリティの重要性も高まっている。同社は、今後10年間でクルマに搭載するバッテリーのエネルギー量を増加させる一方で、二酸化炭素の排出量を継続的に削減できるよう努めていく。
ボルボ・カーズが計画しているNorthvoltとのコラボレーションによるバッテリーセルは、100%再生可能エネルギーを使用して生産することを目指しており、他のバッテリーサプライヤーとも2025年までに同様のことを行えるよう推進している。
また、バッテリーに含まれる貴重な素材を有効活用することで、バッテリーの二酸化炭素排出量をさらに削減するという明確な戦略を持っている。これは可能な限りバッテリーを再製造または再利用することを意図しており、エネルギー貯蔵などの二次利用の可能性についても調査中だ。
可能な限り寿命が来たバッテリーは、将来のバッテリーに使用する重要な材料のクローズドループリサイクルを提供できる認定リサイクル業者でリサイクルされる。ボルボ・カー・グループが計画しているNorthvoltとのパートナーシップにより、彼らの確立されたリサイクル事業を活用する可能性は高まる。
ボルボ・カーズはまた、ブロックチェーン技術の利用拡大を含め、責任あるバッテリーの調達に引き続き注力していくとともに、パートナーやサプライヤーとより密接に連携することで、責任ある調達を強化していく。
次世代の電気自動車のSUVでは双方向充電を提供し、クルマのバッテリーで余った電気を電力網に流すことができるようになる。これにより、電気自動車のドライバーは、電力生産に関連する価格や二酸化炭素排出量が日々のピーク時には電力網にエネルギーを供給し、排出量が減少した時には車両のバッテリーを充電することができる。
ヘンリック・グリーン氏はさらに、「私たちは、お客様の生活をより快適で楽しいものにする、持続可能な電気自動車を提供したいと考えています。スマートなイノベーションと主要なパートナーとのコラボレーションにより、航続距離の延長、短時間での充電、低コストなど、お客様が求めるものを提供し、電動モビリティの普及をさらに促進することができます」
ボルボ・カーズの電動化ロードマップは、戦略的パートナーとの協力のもと、バッテリー、電気モーター、関連ソフトウェアの設計・開発、生産を自社で行う垂直統合に重点を置いている。その目的は、バッテリーのサプライチェーン全体を通して、可能な限りの相乗効果と効率化を達成することにある。
6月初旬にボルボ・カー・グループは、持続可能なバッテリーを開発・生産するためのNorthvoltとの提携計画を発表した。これは、次世代の電気自動車であるボルボとポールスターを駆動するためのもので、成長を支えるために必要な持続可能なバッテリーの将来的な供給を確保するもの。
Northvoltとの協力関係は、2030年までにプレミアム電気自動車の分野でリーダーとなり、純粋な電気自動車のみを販売するというボルボ・カーズの高い目標を実現するために重要だ。また、技術的なリーダーとのパートナーシップと相まって、生産および開発における自社能力を拡大するための重要なステップとなる。