コスモスポーツに搭載されたロータリーエンジンは491cc×2の排気量から110psを発生するL10A型。翌年にはマイナーチェンジされて128psへとパワーアップを果たしている。今回のイベントに参加していたのは、こちらの後期型だ。
コスモスポーツのオーナーは地元・群馬県在住の殿岡さん。コスモスポーツといえば白が圧倒的に多いから、なぜ赤を選ばれたのかお話を聞けば「仕事柄です」とのお答え。ご職業を聞けば消防士さんなのだそう。なるほど納得のボディカラーなのだ。 実にこのクルマ、今年長野県で開催された旧車イベントで長野市長賞を受賞されたそうで、どこからみても抜群のコンディション。ボディは下回りまでサビひとつなく、エンジンも完全にオーバーホールされている。それが可能だったのは、地元・群馬県には「ガレージ・スターフィールド」という専門店が存在するから。聞けばやはり同店でレストアされていた。
レストアされてキレイなのは室内も同様。コスモスポーツの特徴のひとつである千鳥格子柄のシートもしっかり張り直されているので、とても50年以上前の車には見えないコンディション。そのシートの間に黒い箱が置いてある。これは後期型からオプション設定された当時の純正クーラーなのだ。 デリケートと評されることが多いL10型ロータリーエンジンだから、完調を保っていないとクーラーを使うのは難しい。ところが真夏のような暑さでも涼しく運転できるという。 オーナーの殿岡さん、実はコスモスポーツ以外にも複数の旧型商用車をお持ちだとか。消防士さんで商用車好きなのにコスモスポーツを選ぶとは、やはり普通のスポーツカーにない魅力を感じられているのだろう。